東京JAZZに酔う

ビヨンド・スタンダード(初回限定盤)(DVD付)スペイン東京JAZZ*1を聴きにいくのは初めてである。2002年から始まったこのアジア最大のジャズイベントには、国内外のトッププレイヤーが出演するという。確かにwikipediaの「東京JAZZ*2」の項目に上げられているリストを見ると、年々スケールアップしているのが一目瞭然である。今年のイベントにも錚々たるメンバーが居並んでいる。二日目の公演のプログラムは次の通り。お目当てはもちろん上原ひろみであるが、それ以外にも中堅どころから重鎮まで実力者が揃っている。簡単な感想もつけておく。

TOKYO JAZZ FESTIVAL 2008東京国際フォーラム
GREAT AMERICAN STANDARDS (August 30 13:00)

  • jammin' Zeb 〜 若い男性4人のアカペラ。上手*3
  • 上原ひろみ熊谷和徳 〜 2006年12月以来、2度目の共演を果たす*4。超絶技巧を持つタップダンサーとピアニストのコラボレーションは、息をもつかせぬインプロビゼーションの応酬であった*5。30分ノンストップで喉がカラカラになった。
  • ザ・グレイト・ジャズ・トリオ by ハンク・ジョーンズ special guest appearance by デヴィッド・サンボーン 〜 御年90歳のハンク・ジョーンズ、まだまだ健在である。奇を衒わない定番曲を選んで聴かせるあたりも、聴衆が何を望んでいるかをよく知っているからであろう。サンボーンのサックスも唸る唸る。
  • ハンク・ジョーンズロン・カーター with NHK交響楽団(エリック・スターン指揮) 〜 ジョーンズに加えてロン・カーターも登場する。しかも天下のN響との共演である。ありえない不思議な絵が目の間に展開する。組んだことに意義があるのだろう。ここでも「オーヴァー・ザ・レインボウ」や「マイ・フェイヴァリット・シングス」などの超定番曲が披露された。華やかで愉悦感に満ちた演奏だった。

DRAMATIC NIGHT (August 30 19:00)

  • 上原ひろみ HIROMI'S SONICBLOOM 〜 ひたすらうっとりする*6。最新アルバムから「朝日のようにさわやかに」「月の光」「上を向いて歩こう」「I've Got Rhythm」「キャラバン」の5曲と、アンコールで前作収録の「タイムアウト」が演奏された。4人編成のバンドとして、昨年よりさらにまとまりがよくなっているように感じた*7
  • リシャール・ガリアーノ & ザ・タンガリア・カルテット、寺井尚子 〜 この日一番の盛り上がりであったかもしれない。フランス人のオッサンが弾くアコーディオンは、他国人のそれよりも二割増で素敵に聞こえるのはなぜだろう。甘くて軽やかで切なくてもの哀しい。二日前に急遽発表になった寺井尚子の代役参加も嬉しいハプニングだった。
  • ミシェル・カミロ・トリオ 〜 一度ライブを聴いてみたいプレイヤーだった。前作、前々作のスペイン絡みの曲もやるのかと思って期待したが、それはなくて新作中心だった。でもかっこよかった。CDで聴く以上に情熱的な演奏をする。

9月末と10月にNHKのBSと地上波でこの日の公演も含めて東京JAZZがまるごと放映される。機会があればぜひ御覧になってみて下さい。
それにしても東京ならではの巨大イベントであるなとあらためて感じた。ホールの外でも無料のジャズ・ライブがあったり、屋台がたくさん出ていたりする。関連イベントもこの三日間に限らず、各地で繰り広げられている。羨ましいというか妬ましいというか。

*1:http://www.tokyo-jazz.com/

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/東京JAZZ

*3:やる気のない感想!

*4:2006年12月23日付拙日記 http://d.hatena.ne.jp/morio0101/20061223

*5:熊谷和徳のブログにもうこの公演の記述がある http://tapperkaz.exblog.jp/8532340/

*6:PAの調子が悪かったのか、音もバランスもあまりよろしくなかった、そこは残念

*7:上原のブログにも今日の公演のことがもう書かれている http://www.hiromiuehara.net/blog/