近代建築を仕事と娯楽ではしごする
朝から京都の某所で本業絡みの調査をする。定期的にでかけているものだけれど、昨秋はあれこれとあって、実に八月以来だったことを後で知る。作業自体は比較的新しい建物の地下でもぐらのようにひそやかに進めている。併設する分館は明治期に建てられたもので、重厚長大を形にしたらこうなるという立派さを誇る*1。今はイベントでのみ使っているようだ。昼頃まで調査をし、昼食後に辞する。もう少しいられたのであるが、調査がキリのいいところまで進んだので、体調不良で早退する仕事仲間について抜け出したのであった。
夕刻までの時間を使って梅田を回遊することにした。まずは書店巡りをした。あてどなく書棚をさまよい歩くのは極楽至極、この楽しみはなにものにも代え難い。荷物を増やしたくなかったので、めぼしい本のタイトルをiPhoneにメモしておく。ブックファーストでは、津村紀久子の芥川賞受賞作を掲載していた「群像」(2008年11月号)がかき集められて販売されていた。間もなく刊行される単行本より値打ちがあるだろうと思って、それだけを買い込んだ。あとはバーゲンに参加する*2。いったい何年ぶりだろう。セーター、カットソー、シャツなどをものす。
ちょうど一年前、同じ大阪市中央公会堂で安藤裕子のライブを楽しんだ*3。今年もここに彼女がやってきた。安藤のチケットはけっこうな争奪戦になっており、ネットでも当たったのはずれたのと喧しくやっている。二年連続射止めたのは僥倖と言えよう。ちなみに東京公演ははずれた。
開演時間15分前に会場に辿り着いたところ、入口あたりが人であふれかえっている。機材トラブルで開場が大幅に遅れていたのであった。おおよそ一時間は遅れるということなので、近所のカフェで時間をつぶし(津村の小説を読んでいた)、少し早めに戻ったら、ほどなくライブがスタートした。係員の言葉通りにゆっくりしていたら、冒頭三曲くらい聴けないことになっていた。いったん口にしたことは守るべきだと思うが*4。
あとは夢心地の一時間半だった。「聖者の行進」の次に大好きな「ニラカイナリィリヒ*5」を初めて生で聴くことができ、それだけで満足である。MCがほとんどないのも好ましかった。上手じゃないから。やっぱり椅子に座ってゆったり音楽を聴くのはいいなぁ。あと安藤裕子のライブは客筋がとてもよいと思う。お洒落で上品な人が多い(とりあえず自分は棚上げ)。そういう面での心地よさは大切だろう。「続きを読む」以下はセットリストを含むネタバレです。
安藤裕子 2009 Acoustic Live
大阪市中央公会堂・大ホール / January 18, 2009
- ニラカイナリィリヒ
- 星とワルツ
- あなたと私にできる事
- ポンキ
- パラレル
- 雨月
- 忘れものの森
- 新曲
- チームアンディの唄
- Little Babe
- summer
- 隣人に光が差すとき
- The Still Steel Down
encore
- のうぜんかつら(リプライズ)
- 新曲
※「ニラカイナリィリヒ」「パラレル」「雨月」「summer」「隣人に光が差すとき」が出色の出来かと。