楽屋

morio01012009-06-06

昨晩、たまたまつけたテレビでやっていた「タモリ倶楽部」を見るともなく見ていたら、乗車券を取るのが至難といわれる寝台列車カシオペアを特集していた。乗りたいと思ってもちょっとあの争奪戦は勝ち抜けそうにない。大阪からのトワイライトエクスプレスも同じようなものなのだろうか。
さてカシオペアと同じように、かどうかは定かではないけれど、気がついた時にはすっかりチケットが取れなくなっていた演劇「楽屋*1」をようやく観てきた。前売りの段階で、しきはんさんに「チケットが取れない」とぼやいたところ、「小泉今日子蒼井優が出るんだから、根性出さないと絶対に取れない!」と駄目出しを喰らった。確かに。それで前日発売の当日券を狙って、何度も電話をかけてきたのだ。それでもやっぱりさっぱり取れないのだった。某オクで「大人の力」を発揮しようかと逡巡していたところ、上演直前に行くとキャンセルや立ち見で入れることもあるという情報を得た。なんのために三軒茶屋の近くに住んでいるのだと思い直し、勇躍出かけた次第である。
開演十五分前に劇場*2前に着くと、すでに長蛇の列ができている。列に加わりじっと待っていると、私の後ろに並んでいる男性に握手を求める人がいる。「なんで?」と思って振り返ると、そこに柄本明がいた。吃驚した。その柄本氏が立ち見の列に並んでいることに気がついた劇場スタッフはあわててどこかに連れていってしまった*3閑話休題
遅く行ったことがかえって奏功したのか、あるいは普段の行いがよすぎるのか、立ち見は立ち見でも前から3列目の横に立つことができた。舞台は目の前である。あのアリスがわずか五メートル先に出てくるのだ。もうそれを妄想するだけでクラクラした。我ながら馬鹿げているとは思う。

チェーホフの「かもめ」を上演中の、とある劇場。その楽屋では、女優が二人、舞台化粧に余念がない。
そこに主演女優と、かつてプロンプターを務めていた若い女優が登場。
あろうことか、若い女優は「主役を返せ!」と詰め寄るのだが…。(パンフレットの物語解説)

夢心地の一時間半だった。テレビや映画で観るのとはまったく違う。演劇では生きた人間の発する気の強さに圧倒されることをあらためて知った。舞台を楽しむというより、芸能人を生で見るという感激が勝っていて、冷静な感想は書けそうにない。蒼井優は言うに及ばず、小泉今日子渡辺えり村岡希美、みな素敵だった*4。もう一回? 三軒茶屋シアタートラムで鑑賞。

*1:http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/05/post_154.html

*2:http://setagaya-pt.jp/

*3:氏は前から三列目中央に座っていた

*4:演出は生瀬勝久