君には物語があるのか

morio01012009-06-08

チキンラーメン*1が好きで、たまに食べている。カップヌードル*2も独特のケミカルな感じがよくて、これまたたまに食べている。前者は1958年、後者は1971年に発売されたという。これ以降、星の数ほどのインスタントラーメンやカップ麺が発売されてきたのにも関わらず、いまだにこの二つが揃って高い人気を誇っているのは驚くべきことである。
メーカーが食品としての質を高めてきたことが大きな要因であるのはもちろんであるが、それ以上に二つの商品には人々を惹きつけるような「物語*3」がある。安藤百福、世界初、フリーズドライあさま山荘……*4。けだし定番やブランドは欠くべからざる物語や神話を内包しており、我々はその無形のモノにこそ大きな対価を支払っているとおぼしい。
そんなことをついつぶやいたのは、昨日の朝日新聞の以下の記事を読んだからである。
  機械式腕時計 打倒スイス製、国内メーカー品ぞろえ強化
技術や商品の質という点では、日本のモノの方が遙かに優れているのかもしれない。しかし、スイスの商品にはそれを補ってあまりある物語がある。私が長く憧れてきた時計にも他には絶対にない神話がある。存在意義の9割はその神話にあると言ってもよいくらいだ。セイコーが「精度のよさや実用性など日本らしい先端技術へのこだわりをアピールするいい機会」というコメントを出しているけれど、精度や実用性*5は果たして物語となりうるほどの力があるのだろうか。エコの観点からすればお話しにならないけれど、プリウスインサイトより19年乗り続けている神話だらけのボロ英国車を愛するのも同じ理由からなのだ。

*1:http://www.chikinramen.jp/index.html

*2:http://www.cupnoodle.jp/index.html

*3:wikipediaあたりをご覧ください。

*4:個人の思い出という物語もあるだろう

*5:低価格品なら圧倒的な優位性となろう