散佚はこうして

趣味性の高い書籍や雑貨を置いている京都の恵文社一乗寺店*1。昨年の5月、瀬野里美さんの針穴写真展*2で初めて訪れて、近所にこんな店がほしいと思わされたところである。
その店のサイトを時々眺めている。そして今、とても興味深い資料が売り出されている。

昭和のお店のマッチラベル
昭和30年代から40年代にかけて、関西のバーや喫茶など様々な店舗のマッチ・ラベルを蒐集し貼りまとめていたコレクターのスクラップ・ブックを発掘されました。喫茶店や、バー、中華料理店などざっくばらんですがテーマ毎に貼付けられた一枚一枚のページからは並々ならぬ情熱が伝わってきます。それぞれ数枚のマッチラベルを両面に貼付けた一枚シートとしてご紹介いたします。そのまま額装するもよし、デザインの参考にするもよし。(恵文社一乗寺店のサイトより)

うわぁ。全部ほしくなる。こんな貴重な代物はなかなかお目にかかれるものではない。ところが、その「宝物」がバラ売りされているではないか。もったいないなぁ。こんなのは丸ごとあって値打ちがあると思うのに。でも昔から著名な書家や歌人たちのものした書を、細かく切って色紙や掛け軸に仕立て、バラ売りしていたわけだから、その伝統が今に生きているとでもいえようか。それにしてももったいない。一度バラバラに散ったら、もう二度と集められない。
今期の芥川賞直木賞候補が発表になった*3。文学畑ではない本谷有希子西川美和が取ればいいと思うけれど、たぶん無理。