ノーカントリー

morio01012009-08-24

コーエン兄弟の映画は人がよく死ぬので見るのが辛い。「ファーゴ」の最後の場面を思い出すと、今でも軽い吐き気を覚える。米アカデミー賞をいくつも獲得した「ノーカントリー」も、理不尽なまでに殺人が繰り返されると知り、wowowで録画したものを「見たいけど見たくない」という複雑な気分のままうっちゃっていたのだった。
悪い組織のお金を持ち逃げしてしまい、桁外れの殺人鬼に後を追われるという物語である。開始数分で人二人と犬一匹が殺される。いきなりのことで、もう見るのやめようかと思いながら、目を細くして最後まで付き合ってしまった。いつ暴力的な映像が流れるかわからないので、すっかり喉がからからになった。
表現は極めて暴力的ではあるが、これがもし人生の暗喩だとしたら、わからなくもない。偶然の出来事が人の運命を決定し、さらにそれによって引き起こされる避けがたい現実と対決せざるをえなくなる。まさにこの映画の中で語られるものである。そう思えたからこそ、最後まで見ることができたのだが、やっぱり脳裏に焼き付いている残酷なシーンは夢に出てきそうで怖い。
 公式サイト http://www.paramount.jp/movie/nocountry/index2.html
夕方、tikitで神崎川まで走ってきた。川風がすっかり秋のもので、寒いくらいに感じられた。そして見事な夕焼け。