アイロンでラーメン

morio01012009-09-04

少し出るのが遅くなり足早に東京国際フォーラムAホールへ向かう。東京JAZZのこの時期は周辺が野外ミニライブや屋台で大賑わいである。まさにお祭り。今日はその初日で「GALA NIGHT」と銘打たれている。三つのプログラムのうちお目当てはもちろん上原ひろみ矢野顕子のライブである。5000人規模の会場で前から7列目中央というおぼえのめでたい席に着く。全公演がNHK-BSで放映されるため、大がかりなカメラセットがあちこちに設置されている。また報道陣のカメラの放列もすごいことになっていた。

1 NHK交響楽団 special guest エルダー 指揮:沼尻竜典
2 ウーター・ヘメル
3 矢野顕子×上原ひろみ

NHK交響楽団は昨年の公演にも登場していた*1ハンク・ジョーンズロン・カーターというジャズ界の大御所との共演で、同じ舞台に立つことに意味があるようなものであったが、今年はどうにもつまらなかった。「ジャズもやろうと思えばできますよ」みたいな無理矢理感が否めない。開始二曲目くらいで飽きてしまって、そこから一時間半経つのがものすごく辛かった*2。だいたいクラシックの人たちだからガーシュウィンをやるという発想自体が陳腐でいけてない。アンケートにももういらないと書いてしまった……。あれだけの大所帯の出演料なら海外の有名どころを十分呼べるだろう。その方がよほどいい。スペシャルゲストの影も薄かった。
二組目のウーター・ヘメルはオランダ・ジャズ界の新星らしい。ちょっとアイドル・ポップ系の風貌で、私の横に座っていた若い女性はすっかり腰が浮いていた。彼が目当てで来たのだろう。少し風変わりな楽器なども駆使し、客の煽りもなかなか上手である。覚えておこうと思う。
そして、トリ。緑のドレスの矢野顕子と赤系の緩いワンピースにレギンスの上原ひろみが登場する。のっけから「そこのアイロンに告ぐ」で全力疾走である。今日は上原ファン以外も大勢会場にはいるわけであるが、いっぺんに空気が変わってしまったことがはっきりわかるくらいの掴みになっていた。圧巻はソロで演奏した「I've Got Rhythm」である。上原のライブで何度も聴いてきた曲だけれど、今日の演奏のすさまじさはこれまでになかったものである。感激して息苦しくなった。そして上原のオーラに支配された会場を「これでいいのだ」と歌い出して自らのペースに巻き込む矢野顕子の凄みもまたすばらしい。矢野の声は音盤で聴くより断然生がいい。色艶がまったく違う。アンコールは2006年冬のコンサートでも披露した2曲で、二人にとっての定番である*3。「ラーメン食べたい」の最後の1音が鳴り終わると、スタンディングオベーションである。BSで見直すのが楽しみである。
上原の新譜も会場で購入し、おまけに直筆のサインも手に入れた。嬉。明日はソロだ!
本日のセットリスト

TOKYO JAZZ FESTIVAL 2009 GALA NIGHT 矢野顕子×上原ひろみ
【本編】

  • そこのアイロンに告ぐ
  • あんたがたどこさ
  • Evacuation Plan
  • I've Got Rhythm
  • BAKABON
  • My Romance
  • Deja Vu
  • Rose Garden

【アンコール】

  • Green Tea Farm
  • ラーメン食べたい

消される可能性大の映像!?

*1:東京JAZZ2008の記 http://d.hatena.ne.jp/morio0101/20080830

*2:夢の中へ……

*3:お互いのアルバムにこれらの曲で参加している