ドタバタ日曜日

一仕事を終えて、深夜にのんびり本を読んでいたところ、大阪から連絡が入って急遽戻らなければならない事態が発生した。ぎゃ。明け方まで娘と連絡を取り合って、ひとまず寝る。
起きても事態はさほど変わっておらず、昼過ぎの新幹線で大阪へ。どうやら水曜日あたりまで東京に戻れないようなので、顧客にも急いで月曜日以降の段取りの連絡メールを投げつける。せわしない……。
走ル (河出文庫)それにしても前日とかその前の日だと、土曜日の催事で困ったことになっただろうし、来週末となると、今度は新規顧客獲得大作戦にぶつかって、これまた悩ましいことになった。不幸中の幸いである。
新幹線では羽田圭介の『走ル』(河出文庫)を読んだ。高校生がロードレーサーで東京から青森まで走る話である。自転車を使うロードムービー的物語で、軽い読み物として楽しめるかと思いきや、細部にリアリティがなくて、醒めた気分のまま、終わりを迎えた。?な点。

  1. 自転車の知識がなさそうなのに、古いロードをバラバラにして、きちんと整備し組み上げている。しかも短時間で。長くママチャリしか乗っていないのに、いつどこで覚えたその知識と技術。
  2. まったく乗っていない自転車でいきなり何百キロも走って、お尻や掌にダメージを受けないって、ありえない。もちろんレーパンなど履いていないし、グローブのことも出てこない。最後の最後に股ずれの話題が少しだけ出てくる。
  3. 夜間、無灯火で高速走行をする。何を考えているのだろう。しかもノーヘル。
  4. 歩道を時速30キロ以上で走り続けている。信じられない。

高校生の頃の無軌道無鉄砲な行為を描くのに、ちっとも爽快感が得られないのは、細部に神を宿そうとしていないからだと思った。