伝説の人と上原

スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ朝、明るい太陽の日射しで目が覚める。twiiterのタイムラインを追いかけると、風と雨であちこちが酷いことになっているらしい。しかし、窓から見る景色は穏やかそのものである。なんだか狐につままれたような具合だった。
夜、渋谷へ。ほぼ一年ぶりの上原ひろみとの再会である。再会といっても一方的にこちらが見る(聴く)だけですが……。今年は例年と違って、この1回だけである。昨年などは上原を追いかけて5回*1もライブに行っていたから、なんだか寂しい。しかも今年のツアーはソロではなく、スタンリー・クラークのバンド構成員としてだから、彼女のオリジナルが聴けるわけではない。それでもここ2年ほど精力的にバンド活動を続けてきた、その成果(?)をぜひこの目と耳で確かめたかった。
渋谷のオーチャード・ホールはいつ行っても金持ちのニオイというか、セレブのいやらしさというか、なんかそういうものを感じる場所である。落ち着かない気分のまま開演時間を迎える。スタンリー・クラークはかのチック・コリアリターン・トゥ・フォーエヴァーを組んでいた伝説的なベーシストである。おそらくチック絡みで上原とも繋がっているのだろうが、こうした「生ける伝説」のような人たちと共演することは、今後の彼女のキャリアにはたいへん重要なことだろう。特に海外で活動を続けるなら。ドラムスのレニー・ホワイトとの関係も同様。
演奏する曲は上原が参加した2作のアルバムから選ばれていた。二人の「レジェンド」の元気溌剌ぶりに驚かされる。時にやんちゃな演奏をする上原以上の弾けっぷりだった*2。外見もそうだけれど、とても「還暦な人」とは思えなかった。テンポのよい曲が中心で、気持ちよく楽しんでいたら、あっという間に最後になった。ほんとにあっという間。同じように感じた人は多かったようで、客電がついて、退場を促すアナウンスが再三再四流れても、手拍子がなかなか止まなかった。もっと聴きたかったよ。
そんなことで、月末の高松のライブに行こうか、なんだか悩み始めているのだった。

*1:その前年、前々年なども同じような具合だった。東京と大阪と浜松で最低でも3回になる。

*2:もちろん上原の暴れ方も尋常ではなかった