なくもんか

なくもんか 通常版 [DVD]中学校バレー部員の映画と一緒に借りてきた。最後に流れる吉岡聖恵の歌声以外に特に感想はない、と書くとあんまりなので、少しだけ。
生き別れた兄弟がそれぞれの生活の糧を得た後に初めて顔を合わせる。人気稼業の弟には「偽りの過去」が捏造されており、実の兄の存在は自らの立場を危うくするものでしかなかった。はてさて二人の関係はいかに、というものだが、どうにも宮藤官九郎の脚本にキレがなく、さほどおもしろくもないギャグを散りばめた場面が時間軸に沿って積み上げられていくばかりである。思うに、あれもこれもと登場人物の細かいエピソードを盛り込みすぎではないだろうか、ちっとも話が落ち着かないのである。完全に崩壊しないところにクドカンの力を見るべきか。商店街のセットはよくできていた。
主人公の養父母役のカンニング竹山いしだあゆみはよかった。主役を演じた阿部サダヲは人気も実力もあるのだろうけど、この人の演技で笑ったり感心したりしたことがない。たいてい大仰で、見てるとイタイ感じがするのは、きっと私の側の問題だろう。竹内結子も大味な演技でこれに応えていた。
泣きたくなった……。