ついにスティングの生声に接する
ボーカルと言えば女声ものばかりを嗜む私であるが、愛聴する男性アーティストだって、もちろんいる*1。スティングはポリス時代から声が好きで聴き続けてきた。早三十年ですよ……。こんなにも長く聴いているのに、なかなかライブに行く機会は得られず、もう縁がないのだと諦めていたところ、たまたまラジオで武道館公演の情報が流れた。来日することすら知らなかったから、まったくもって幸いと言うほかない。そしてチケット落手。
近年はクラシック専門レーベルであるドイチェ・グラモフォンと契約し、ジョン・ダウランドやパーセル、シューベルトなどの楽曲を録音したり、自身の曲をクラシック・アレンジで再録したりしている。これらが実に渋くてすばらしいのだ。今回は昨夏発売された「Symphonicities」をひっさげ、指揮者付きのフル・オーケストラをバックに従えての大がかりな公演である。期待感はいや増すばかりである。
客席は30代〜50代が中心であろう。落ち着いた雰囲気の中、懐かしい曲にボルテージが上がり、さらに涙腺も緩み、暗闇の中で一人でそわそわしているうちに、あっという間に三時間弱の時間が過ぎ去った。過剰な演出はなく、じっくりと曲に聴き入ることのできる、まさに夢のような一時だった。そこにスティングがいるということだけで満足できた。ドミニク・ミラーのギターもすばらしかった。足先が地上から10cmほど浮いたままで帰路につく。
【余談】座席に置いてあったライブ案内のラインナップは、イーグルス、ホール&オーツ、TOTO、MR.BIGだった。あまりにもあまりな顔ぶれではないか。狙い撃ち。スティーブ・ポーカロが復帰したTOTOに行きたい。
折り込んだ先にセットリストあります。
STING 「Symphonicity Tour 2011」 東京・日本武道館 2011年1月17日
- If I Ever Lose My Faith In You
- Every Little Thing She Does Is Magic
- Englishman In New York
- Roxanne
- Straight to My Heart
- When We Dance
- Russians
- I Hung My Head
- Shape of My Heart
- Why Should I Cry for You?
- Whenever I Say Your Name
- Fields of Gold
- Next to You
[Intermission]
- A Thousand Years
- This Cowboy Song
- Tomorrow We'll See
- Moon Over Bourbon Street
- The End of the Game
- You Will Be My Ain True Love
- All Would Envy
- Mad About You
- King of Pain
- Every Breath You Take
[encore]
- Desert Rose
- She's Too Good for Me
- Fragile
- I Was Brought To My Senses
Sting / Dominic Miller / Ira Coleman / Rhani Krija / Davia Cossin / Jo Lawry
Steven Mercurio 指揮 東京ニューシティー管弦楽団
*1:少ないけど