洋菓子店コアンドル
毎日でも食べられるというほどの無類のかき氷好きとして知られる蒼井優が、スイーツ本「蒼井洋菓子店?大好きスイーツ・ベスト88?」を出した。作る方ではなく、食べる方で。写真を見ていると、ほんとうに幸せそうな表情でケーキやお菓子を食べている。その顔でまたこちらも幸せな気分になる。おまけに近所のフラウラ*1まで紹介している。次に行った時にはドアの取っ手をさすることにする。
「洋菓子店コアンドル*2」(深川栄洋監督)は、行方知れずになった恋人を追って上京した娘が、パティシエールの修行を通して、人間的に成長していくというわかりやすい話だった。脇を固める人々のちょっとしたエピソードや訳ありな過去話を散りばめつつ、全体としてはそつなくまとめている。何も考えずにボンヤリ観ていても十分理解できるだろう。説明的な台詞やカットの割り方など、テレビの2時間ドラマのようでもある*3。
蒼井優は慣れない鹿児島弁を使っていることもあってか、やや表現が大仰で、珍しく臭い芝居をしていると感じた。可愛らしいので私は許すけれど、それ以上のものではないため、ファンでない人にはどうなんだか。ケーキやお菓子がとてもおいしそうに見えたのは、この映画のためにはよかったと思う。憎たらしそうな同僚を演じた江口のりこは、いつものぽわぽわしたノリではなく、そこがおもしろかった。ワーナーマイカル茨木で鑑賞。