心地よい
春めいた陽気に誘われて、ポケロケ*1を引っ張り出す。多摩川まで走る。大阪では淀川によく行き、東京では多摩川によく向かう。高くて広い空や蕩々と流れる川面を見ていると、いろいろなことがどうでもよくなるような心地よさがある*2。幸いなことに花粉に悩まされることもない。いい気分になって、音楽を聴いたり、針穴写真を撮ったり、ぼんやりしたりして、しばし浮き世を忘れて過ごした。
心地よいといえば、最近使い始めたマック用のエディタの具合がとてもよい。名前はOmmWriterという。決して高機能を誇るエディタではない。もっといえば、文字を入力する以外、何もできない。ではなぜ使っているのか。それは他では得られない心地よさがあるからである。
画面いっぱいに品のよい背景が広がり、ウインドウはおろか、メニューやスクロールバーすら消えてしまう。そして静かに環境音のようなBGMが流れる*3。打鍵すると、リズムよく上品で美しい響きのタイプ音が鳴る*4。踊るように現れる文字は確かに自分が入力しているはずなのに、あたかも別の意志をもって振る舞っているように見える。それでいて、自らの指先に直結しているような感覚もある。とにかく心地よいのだ。これをMacBookAirで使うと、もはや他のものでは文字の入力をしたくなくなるほどのすばらしさがある。
もちろん本業で愛用しているJeditの代用にはならない。仕事で使うにはOmmWriterはあまりにも情緒的すぎる。それでもJeditで書くものとOmmWriterで書くものでは、確実に何かが違ってくるように思われる。フルセットはAppStore*5で買うことになるが、開発元のサイト*6には無料版も用意されている。興味、関心のある向きはぜひお試しを。