告白

告白 【DVD特別価格版】 [DVD]漬け物のCMでの山口美江の「しばづけ食べたい」の台詞が印象的に記憶に残る。「下妻物語」は深田恭子土屋アンナの快演怪演が鮮烈だった、大好き。「嫌われ松子の一生」では中谷美紀の軽いけど凄みのある佇まいに驚く。「パコと魔法の絵本」は15分で見るのが嫌になってやめた。AKB48のことは別になんとも思わないけれど、「Beginner」だけはいいと思っている、PVも。すべて中島哲也監督の仕事である。
湊かなえの同名小説を原作とするこの映画もまた、これまでの中島調で作り上げられている。緊張感のある長回しのワンカットを使いそうなところでも、CMのごとき情緒的な短いカットをパパパと切り替えていく。色やコントラストもずいぶん手が入れられていて、とても自然なものには見えない。脚本以前のそうした演出、手法には、ずいぶん批判もあるようだ。実際にこの映画の評価も両極に振り切るほど割れている。
自分のクラスの中学生に愛する娘を殺された教師が、彼らに復讐を企てるという残酷な物語である。ところが、映画では小説で感じたほどの後味の悪さはない。いや、爽快感すらある。そう言ってしまうと、反道徳的あるいは非教育的だと糾弾されるのだろうか。「やりやがったぜ、松たか子」と思った。おそらく中島節である「どうやってもファンタジーに見える絵」というのが大きな要因であろう。凄惨壮絶でもどこかふわふわした絵空事(よくも悪くも)に感じられてしまうのだ。快作「下妻物語」には遠く及ばないものの、嫌いではない。
 公式サイト http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html

↑中島監督の仕事。ふわふわでせわしない絵@AKB48。残酷なバージョンもあったらしい。