寸法を測る

行き先が定まったら、具体的にやらなければならないことが決まってくる。時折飛んでくる仕事メールを華麗に捌きながら、今週の業務を睨んだ準備をし、溜まっているあれこれも少しだけ右から左に積み替え、日が落ちる少し前に新しい家に赴く。実際の契約開始日はまだ先なのだけれど、もう鍵ももらっていて、自由に出入りしてよいと言われている。
鞄の中にはメジャーをしのばせてきた。なにはなくとも採寸だろう。今の家に引っ越してきた時は、実にいい加減なことをしてしまい、カーテンができあがるまで、窓には薄紙を貼り合わせてぶら下げていた。家具の類も現物合わせで、当日決めた。酷いもんである*1。今度はちゃんとしたい。部屋のあちこちの寸法をきちんと測り、脳内でレイアウトのイメージトレーニングをし、一人でニヤニヤと気持ち悪くほくそ笑んだりする。
そして晩ご飯を食べに店に入ったところで、財布を忘れていることに気付く。何をやっているのだか。