イケメン仏にうっとり
書くのをすっかり忘れていた。東京国立博物館*1で開催中の「空海と密教美術」展にでかけていたのだった。もう一ヶ月ほど前のこと*2。人気になるだろうという声が聞こえていて、混んでいたら嫌だなぁと思いながら、平日の昼下がりに出向いた。入館するのに列はなく、それでも中はそれなりの人が展示品に群がっていた。さすが空海、か。
今回の見所は、東博の惹句によれば、次の通りである。
数々の平安時代の遺品や空海筆の写本など、存在自体がたいそう貴重なものもさることながら、仏像を美的造形物(=フィギュア)として見ている私には、第4室に広がる「仏像曼荼羅」が最高すぎる。京都の東寺(教王護国寺)の講堂に安置されている仏像群が大挙して東博にやって来ているのである。もちろん信仰の場に置かれている彼らの荘厳さは、その現場でしか味わえないものであるが、惜しむらくはほぼ正面からしか拝むことができない。そして、いつもたいてい薄暗い。それが博物館では完全に美術品として美しくライトアップされ、360度好きな角度から鑑賞できる。至福眼福俺得である。この日も館内にいた時間の大半はこの第4室で過ごしていたのだった。
ショップでは、これらの仏像のうち、人気のあるものが精巧なフィギュアになって販売されていた。ここでも鼻の穴を大きく広げるしかない。悩んで悩んで、帝釈天*3だけを買い求める。あやうく大人買いで全部行きそうになったが、なんとか思いとどまった。フィギュアになっても帝釈天はイケメンである。
「博物館で鑑賞する」ことのありがたみを存分に感じられる催しである。秋には法然と親鸞の展覧会*4が予定されている。これも楽しみだ。