續姿三四郎

正編*1に続けて続編も見た、というか、見ちゃったというのが正確なところである。真面目な映画なのに、どうにも(笑)な印象が強い。

檜垣源之助を倒した三四郎の名は、最強武道家として知れ渡ることになった。しかし、世間では武道を極めるものよりも、生活のために興業格闘(外国人との異種格闘技戦)を選ぶものが多くなり、三四郎の気持ちは晴れなかった。そんな折、源之助の弟、空手家の月形鉄心が兄の敵を討つべく三四郎の前に立ちはだかるのであった。二人の闘いの結末は……。

敵討ちとか異種格闘技戦とか。この展開は後年のアントニオ猪木的世界観以外のなにものでもなく、「1945年にこれか、すごいなぁ」と、黒澤の発想や先見にただ感心させられるのである。劇中の世界は明治時代なのだけれど、ほんとにこういう風俗があったのだろうか。
また内田樹スターウォーズ特集の「BRUTUS」で、「アナキンが姿三四郎、オビ=ワンが矢野正五郎、ヨーダがさいづち和尚」と両作品の相似性を指摘しており、これまた(笑)な感じとなる。
ともあれ、作品そのものより、枠組みや構造を外側から眺めたり、後世の文化表象との関連を考えることが楽しくて仕方がないという、不思議な映画なのであった。好きですよ、もちろん。