川端裕人『せちやん 星を聴く人』
会議に明け暮れるかと思いきや、最後の一つがなくなっていた。ラッキー! 2時間ほど前倒しでお役御免となる。
大阪に戻る新幹線で川端裕人の小説を読み切る。「地球外知性探査」という壮大なテーマを扱うわりには薄っぺらな印象しか残らない。テーマに関する考証に偏りすぎて、肝心の人間の造型に幅というか厚みが感じられなかった。頭でっかちで魂が入っていないとでもいうべきか。よくばることをせず、むしろ主人公が高校生になるまでの物語をもっとふくらませたら、今時の少年科学小説になったと思うのだが。
- 作者: 川端裕人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/14
- メディア: 文庫
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