川端裕人『せちやん 星を聴く人』

会議に明け暮れるかと思いきや、最後の一つがなくなっていた。ラッキー! 2時間ほど前倒しでお役御免となる。
大阪に戻る新幹線で川端裕人の小説を読み切る。「地球外知性探査」という壮大なテーマを扱うわりには薄っぺらな印象しか残らない。テーマに関する考証に偏りすぎて、肝心の人間の造型に幅というか厚みが感じられなかった。頭でっかちで魂が入っていないとでもいうべきか。よくばることをせず、むしろ主人公が高校生になるまでの物語をもっとふくらませたら、今時の少年科学小説になったと思うのだが。

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)