目の前に上原ひろみ

morio01012006-12-11

先週の矢野顕子上原ひろみ*1のライブにいたく感激した私は、つい出来心から某所*2をのぞいてしまい、11日の東京国際フォーラムでのライブのチケットが放出されているのを見つけてしまった。1階1列目中央。最前列とはありえない僥倖である。強引にダークサイドのフォース*3を駆使し、うまうまと掌中に収めたのであった。
舞台の正面(=座席の正面)にはベースのトニー・グレイ*4がいて、時々ちらちら目があって困ったような顔をしていたが、実際困っていたのだろう。こちらが若い娘でなくオッサンで申し訳なく思った。その分、盛大に拍手はしたつもりだ。許せ、トニー。ドラムのマーティン・ヴァリホラ*5はぽろっとスティックを落としたり、変なタイミングでシンバルを叩いたり、なかなかの茶目っ気ぶりを発揮していたが、いかんせん、上原ひろみと逆サイドに位置するため、あまりきちんと見ることがなかった。これまた許してもらいたい。
そして上原ひろみである。約2時間半、あの上原ひろみが5メートル先の目の前で大暴れしながら*6演奏しているのである。時にはグレン・グールドも吃驚というようなうなり声をあげながら、跳んだり跳ねたり、恐ろしいまでのエネルギーで鍵盤を叩きまくっていた。もちろんリリカルな曲での柔らかいタッチの味わいも格別である。なにより音楽することが楽しくて仕方がないという内なる思いがものすごい勢いで伝わってくる。けだし、人の心をざわつかせる特別な何かを持っている選ばれた演奏家であろう。
さすがにこれだけ間近だと、メンバー同士の掛け声やアイコンタクトもよくわかった*7。彼らのジャズを存分に堪能した。終演後、しばらく足腰に力が入らなかったのは、歳のせいだけではあるまい。
なお開演前に少し時間があったので、信心深い私は有楽町にある教会*8にも赴いた。そこにはなぜか金属製の憎いやつが居並んでいるのである。目を血走らせた亀ヲタ*9もたくさん生息しているのである。長居すると危険なので、早々に退散した。明日も「生」ものを二つ鑑賞予定。

*1:http://www.hiromiuehara.com

*2:「ヤ」とか「フ」とか

*3:大人の事情、駆け引きの内実はご想像にお任せします

*4:31歳、英国のナイスガイ http://www.tonygrey.com

*5:30歳、スロバキア出身、ちょっと太ったか? http://www.martinvalihora.com

*6:上原はおとなしく演奏しない

*7:アドリブの実にスリリングなこと!

*8:http://www.lemonsha.com/

*9:私のことを「珍さん」と呼ぶような人たちには説明不要ですが、それ以外の方も読んでくださっているので補足説明をば。亀=カメラ、ヲタ=オタクでございます。