最近の川上弘美

どうも低調ではないか。世の中の事情や人間関係に違和感を覚え始める高校生の日常生活を描く『光ってみえるもの、あれは (中公文庫)』(中公文庫)を読み終えたのだが、唯川恵角田光代と同じく「それがどうした、このヤロー」的な読後感しかないのだ。思い返せば『センセイの鞄』『ニシノユキヒコの恋と冒険』あたりからそうした感じが強くなったようだ。初期のなんだかよくわからないけれど、ぐいぐい読ませるという不思議な世界観はもはやどこにも見られない。あれをなくしたら川上弘美じゃないと思うのだが。帯の「おお、やっぱり僕は早く大人になりたい」ってなんだよ。
忘年会終了後、鶴川駅前の書店で本を買って帰る。『大人の科学マガジン Vol.14 ( ステレオピンホールカメラ ) (Gakken Mook)』(学研)、加藤幹郎映画館と観客の文化史 (中公新書)』(中公新書)、小菅正夫・岩野俊郎『戦う動物園―旭山動物園と到津の森公園の物語 (中公新書)』(中公新書)、安田敏朗「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち (中公新書)』(中公新書)。やっとステレオパノラマピンホールカメラを手に入れられた。明日使えたら使ってみよう。