東急の街小田急の街

morio01012007-06-08

顧客の働きぶりを見るために川崎市の宮前平に行ってきた。東急田園都市線は世田谷の職場から世田谷線経由で渋谷に出るときに使うくらいで、それより西側を利用することはこれまでなかった。東浩紀北田暁大東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム (NHKブックス)』(日本放送出版協会)を読んで以来、青葉台やたまプラーザあたりのことが気になって、そのうちにと思っていたところである。
たとえば関西では大阪と神戸を結んで阪急、JR、阪神が並行して走っているが、沿線の風景はもとより車内の乗客の印象も明らかに違う*1。はたしてそれと同じ匂いを感じた。もっとも阪神間の場合は鉄道会社の思惑とは別に動かしがたいもともとの棲み分けが根本にあって、そのあたりの事情は小田急と東急では違うだろう。しかし、だからこそ古くからの街道筋を通した小田急と明かな意図を持って新たに開発された東急の差異がより際立っていると言えまいか。駅周辺を優雅に歩く子連れの若い主婦の姿はたいへん印象的であった*2
スターバックスの出店は何らかの指標になるかもしれない。新宿〜町田間の小田急線の駅に近いところで出店されているのは、新宿・下北沢・成城学園前新百合ヶ丘・鶴川・町田の六つである。このうち新宿と下北沢、町田は古くからの「繁華街」であり、その事情から店が出されているとおぼしいのでひとまずおく。では残る三つの駅はどうかといえば、これらはいずれも実に東急的な開発の匂いの色濃い駅であることがわかる。わが鶴川は小田急肝いりの新興住宅地を多く背後に抱えているのだ。東京近郊の周辺部がジャスコとコンビニとカラオケといった平板な風景に均一化されているというのは、冒頭の書で指摘されていたことだが、このスタバの出入りも都市のありようを考えるのに重要な手がかりを見せているのではなかろうか。
といったどうでもよいようなことを考えながら、かつて金属バットを使った殺人事件がこのあたり(宮前平)であったなぁなどとぼんやり思い出したりしていたのであった。
新しい新幹線N700系が7月から運行される。少し気が早いが、新大阪発ののぞみの指定席を取った。しかも溜まったポイントでグリーン席。今から乗るのが楽しみだ。

*1:詳細は語らず(^^;

*2:今日の目的地のお偉方の話では、周辺は高学歴の家庭が非常に多いということだった