その肉はどんな肉

morio01012007-07-14

牛だと思ったら豚だったり、豚だと思ったらダンボールだったりと、近頃は肉を巡るニュースがやたら多い。そういえば某ハンバーガー・チェーン店の肉は猫だという都市伝説もあったっけ。いずれにせよ、生きた動物が肉となり我々の食卓に上るに至る過程で、我々が知らないことはあまりにも多すぎる。
今日、たまたま近所の書店で内澤旬子の『世界屠畜紀行』(解放出版社)を見かけた。奥付を見ると今年の2月に刊行されているので、おそらくbk1の新刊案内で見逃してしまったのだろう。もう七刷まできている。売れているのだ。
書名の通り、世界各国の「屠殺」のありようを詳細にレポートする。もともと「部落解放」という雑誌に連載されていたことからわかるように、日本の「屠殺」と被差別部落の関係は分かちがたく結びついている*1。しかし、ここではそれに関わる議論は最小限にとどめ、さらには生命にまつわる倫理観とか道徳観とか、ある種の価値観も極力排除したという。記述されるのはあくまでも「工程としての屠殺」である。アメリカ、インド、エジプト、イラン、チェコ、モンゴル*2、韓国*3……。動物を殺して食べ物にするというのはどういうことか、知らないことを少しでも知りたいと思う*4
ところで、ATOKだと「とさつ」は「塗擦」しか出ない。「屠殺」はどこへ?

*1:日本では芝浦@品川と沖縄が取り上げられる

*2:もちろん羊

*3:犬です

*4:我ながら前向きだと感心しながら、そんな自分を胡散臭いとも思う