会議は踊る

morio01012007-07-20

トレッキングをピクニックと勘違いして、雪に覆われた2000m級の高峰を「散策」する羽目になった直木賞作家。その勘違いっぷりが愉快で『あしたはアルプスを歩こう』(講談社文庫)を小田急の中でするすると読み切る。薄いから楽。角田光代の書く甘ったるい小説よりよほどおもしろかった。非アウトドア派の自分でもアルプスになら登ってみてもいいかもとちょっとだけ思ったくらいだから、文章の力は偉大である。角田、エッセイはいい*1
そういえばこの本の前に読み終えた伊坂幸太郎の『チルドレン』(講談社文庫)はいけすかない文章のいけすかない小説だった。癇に障る表現のあるページをどんどん折り曲げていったら、あまりにも折り目が多くなってしまって、本全体がぼよんぼよんになってしまった。いちいち大袈裟でまるで郷ひろみが文章に擬態しているかのような印象であった。もちろん郷ひろみに罪はない。
そんなこんなで会議4連発で日が暮れていく。朝から始まって、無罪放免で解放されたのは午後7時半である。これでしばらく同僚とも会わなくてよい。アディオ〜ス!
帰りの小田急では三浦しをんの『極め道』(光文社文庫)を読み始めるも、いきなり通りすがりの若い男に「ブス」と言われる哀話で吹き出しそうになってしまい、他の乗客から不審な目で見られることを恐れて、今日発売の「サイクルスポーツ」に切り替える。案の定、物欲をがんがん掻き立てられる。だいたい「愛車改造計画」という特集がいけない。とりあえずアロハ柄のジャージ@パールイズミ製がほしい。あと利尻と礼文サロベツ原野のツーリングレポも目に毒である。あうぁ。
ピグリン、三体目、捕獲。

*1:角田のエッセイはまだこれしか読んだことがないのはご愛敬