万博公園で上原ひろみ

およそ8か月ぶりの生上原である*1。新譜「Time Control」のロック調が気に入らなくて「ちぇ」なんて思っていたくせに、やはりライブが観られるとなると、そんな不満もすっかり忘れてウキウキしているのであった。以下、むやみに長文である。危険。
颯爽と電動アシスト自転車*2に跨り、開演40分前に出発する。なにせ自転車で15分もあれば着くのでありがたい。まずは近所のコンビニで水やおやつを調達する。彩都メディア図書館横の駐輪場に自転車を駐め、会場の自然文化園まで歩いていく。モノレールの駅からは同じライブに向かう人が蟻の行列を作っていた。それだけで興奮して涙腺が緩くなる。なんだか。
会場はいくつかのブロックに区切られていて、主に前の方は「音楽を聴くぜ!」な人たちで埋め尽くされている。私は後方に陣取る。こちらのブロックはピクニックもしくは宴会気分の人が中心で、すでに酒盛りを始めて「音楽? へっ!」なグループ*3もある。君たちは何をしに来たのと言いたいところだが、私とて、聴きたい人以外は力を温存の方向で参加しているため、まぁいいじゃないか。
akikoで開幕。ジャジーなボサノバでいい気分になる。そしてお目当ての一人であるタテタカコが登場する。周囲ではまったく反応する人がなく、隣の団塊おやじにいたっては「誰やこいつ、はよ終わったらええのに」なんて言っている。「黙れ、おっさん、君はカンヌででかい賞を取った映画の主題歌を歌った彼女を知らないのか」とはもちろん言わないが、心の中でそっと毒突いてみた。期待通り「誰も知らない」の主題歌「宝石」を歌ってくれて感激する。薄い反応の中、手が痛くなるほど思い切り拍手をしたら、隣のオッサンが変な目でこちらを見ていた。ほっとけや@高田延彦調。
続くお墓の歌のテノール歌手*4でテンションがぐっと下がったところで、トイレに行ってみた。すると、目の前にタテタカコが! 次の予定があるのか、取り巻き数人と会場内を抜けて帰るところであった。でも誰も知らない、気づかない(笑)。僥倖を噛み締めながら、しばらくお昼寝タイムにする。夏川りみで周囲が少しざわついていたが、おかまいなしで寝る。
サブステージで若いギター弾きが歌い出したとき、メインステージに見慣れた真っ赤なnord leadが運び込まれているのに気づく。荷物はそのまま放置して、ステージ最前列近くまで突進する。間違いなく次は上原である。今日のライブは上原ファン以外の方が圧倒的に多いため、易々と前の方に出られた。ありがたい。そして上原登場。
セットリスト:Time Difference・Time Out・Return of Kung-Fu World Champion
うー、たった3曲だ。でも痺れた*5。ステージの袖で葉加瀬太郎のアフロがブンブン揺れているのは見物だった。必ずしも会場全体がノリノリという感じではなかったが、「誰やあれ」とか「あのピアノすごい」とか、そういう声が聞こえてきて、自分のことを褒められたように嬉しくなる。あいかわらずの暴れながら叫びながらの演奏に幸せな気分になった。
あとは手嶌葵を聴けたら以上終了となる。それまではまたしてもごろ寝モードに入る。遠くで佐藤竹善押尾コータローらの曲が聞こえてくる。さすがに後方ゾーンも立ち上がる人が増えてきたようだが、私は寝たきりである。藤井フミヤのところで前の方に移動した。ソロでのヒット曲や弟と一緒にチェッカーズ時代の曲をやったりして大盛り上がりとなる。そして本日最後のお目当てである手嶌葵。声が素敵で、何より品のあるのがとてもいい。トリはライブの手配師葉加瀬太郎である。完全にオールスタンディング状態となる。みんなの知っているあの曲やこの曲を演奏し、最後はお約束の「情熱大陸」である。観客は揃いも揃って両手を掲げて変な新興宗教の踊りみたいなことをする。見ていて気持ち悪くなってきたので、最後まで聞かずに退場した。すまん、葉加瀬。
来月は東京のブルーノート上原ひろみチック・コリアの共演がある。ああ、楽しみ。
出演順:akiko・タテタカコ秋川雅史森大輔夏川りみ中島卓偉上原ひろみMetis佐藤竹善藤井尚之押尾コータロー・中孝介・藤井フミヤ手嶌葵葉加瀬太郎
公式サイト:http://www.mbs.jp/jounetsu/live/2007/

*1:情熱大陸スペシャルライブ

*2:暑いところで坂道なので、と言い訳

*3:後に注意されて逆ギレし、周囲を巻き込む大騒動を起こす

*4:秋川雅史。ちなみに隣の団塊オヤジが一緒になってお墓の歌を朗々と歌っていた。きっとカラオケの持ち歌なのだろう

*5:佐藤竹善がブログにおもしろいことを書いている http://plaza.rakuten.co.jp/okranogunkanmaki/diary/200708040000/#comment