カレー屋で聞き耳を立てる

おせん(1) (イブニングKC)夕食はマシバシイネツルカモでカレーにする。今週はじゃがいもと春菊と鶏肉ミンチのカレーである。食後にチャイを飲んでまったりと過ごす。住宅街のただ中にある店には独特の静けさがある。緩く流れるジャズピアノを聞きながら、保坂和志の『猫に時間の流れる』を読む。
そこに隣のテーブルに座っている女性客二人の話し声が聞こえて来た。ゲラ・先生・天板の広い机・編集・岩波・学術書・活字・デザイン・締め切り……。聞こえてくる単語にびりびり反応してしまう。こっそりと心の中で。見たところ私と同世代の二人はどうやら編集を生業としているらしい。一人はどこかの出版社に勤めており、もう一人はフリーである。つい声をかけたくなる。もちろんかけないけど。ともあれ、そういう話を静かにゆっくりできるような店なのである。
店から出て、近所の書店できくち正太の『おせん』(講談社)の第1巻と第2巻を購う。春から蒼井優がテレビドラマ*1でこの漫画を演じるらしい。アマゾンに注文しておいた「青山真治 TRILOGY BOX [初回限定生産] [DVD]*2」が届いた。

*1:「おせん」公式サイト http://www.ntv.co.jp/osen/

*2:「Helpless」「ユリイカ」「サッド・ヴァケイション」の北九州サーガ三部作のセット