アブサンと緑色のユニフォーム



escalator



また500系のぞみを選んで帰阪する。今日は通常の指定席である。グリーン車に比べると、室内の設えも座席もはっきりと狭苦しさを感じさせる。しかし、この車両に愛着を感じているためか、不快ではない。むしろ愉快。先日のエントリー*1にコメントをつけてくださったlowracerさんのことばではないが、まさにこのタイトさはスポーツカーの心地よさである。愛あればこその贔屓目なんですけどね。
今日の新幹線の友は村松友視の『アブサン物語』(河出文庫)にした。90年代にベストセラーとなった猫エッセイの傑作である。べたついた愛情表現のない抑制された文章が好ましい。ペットものにありがちな過度の思い入れは癇に障るだけである。さすが達意の人と感心する。お約束というべきか、アブサン最後の場面では霞がかかってしまった。次は村松の『帰ってきたアブサン』も読んでみようと思う。いつになるかわからないけれど、これまで読んできた猫本のあれこれについて、放言してみたいと夢想する。なお古典文学に登場する猫のことは、すでにまとめている人がいる*2
実家に寄ってから帰宅する。晩ご飯の後、東京ではめったに見ることのできない阪神戦@サンテレビをつけたところ、相手チームのユニフォームが南海ホークスではないか! ソフトバンクも粋なことをする。あとでググってみたら、なんでもオーナーの孫正義の「歴史に感謝するならば、中途半端なものはよそう*3」という一声でこうなったらしい。なんとなく「あぶさん*4」繋がりな感じがして不思議。