PR誌の表紙絵

morio01012008-08-06

岩波書店の「図書」とか、新潮社の「波」、文藝春秋の『本の話』、講談社の『本』など、大手出版社には自社刊行物の販促を目的としたPR誌があって、書店などで無料配布されている。たいていはレジカウンターあたりに平積みされているので、目にしたことのある方も多いであろう。内容はエッセイや書評、対談、関係者へのインタビュー、あるいは時に新作小説の連載など多岐に渡り、読み物として充実しているものが多い。歳を取るとこの種のものに執着心がなくなったのか、読み捨てで処分するようにしているけれど、一時は各社のPR誌を溜め込むようなことをして、どうにもならなくなってしまったこともあった。

筑摩書房「ちくま」は、奈良美智の絵を表紙に使っていてなかなか捨てられない。いまや絵画市場で億の値がつくという奈良の絵が、月代わりで楽しめるのだ。飾って喜んでいる。他誌も「えっ」と思うような画家や写真家の作品を採用していることがあって、油断ならない。ある意味、各社の「顔」でもあるので、あだおろそかにはできないということだろう。

上記ページにある奈良の表紙絵、ちゃっかりiPhoneの待ち受け画面にいただきました。
昨日は娘と堂島のジュンク堂書店へ出かけた。梅佳代の新作『じいちゃんさま』(リトルモア)とナガオカケンメイ60VISION ロクマルビジョン 企業の原点を売り続けるブランディング』(美術出版社)などを購う。梅の前作『男子』(リトルモア)は一瞬芸のようなおもしろさはあっても、「で、どうなの?」という印象であったが、祖父を撮り続けた今作は滋味に富む写真が並んでいる。被写体への深い愛情が満ちあふれていてすばらしい。けれんがない。