青空文庫を読む

いまさらながら青空文庫*1にはよくお世話になっている。と言っても、個々の作品を通して読むというよりは、パソコンに作品データを大量にダウンロードして近現代の日本語コーパスとして利用するのがもっぱらである。「文学を読む」という本来のあり方からすれば邪道ではあるが、その道がわが道である場合はどうしようもない。
しかしながら、たまにはそういうテキストデータも読みたくなることがある。iPhoneでも青空文庫はおおいに意識されているらしく、これまでにも専用アプリやwebアプリがリリースされている。AppStoreで「青空文庫」と検索をかけると、今日の時点で9件ヒットする。同じアプリで収録する作品が違うというのを同一視すると、文庫リーダーの種類としては5つほどになる。

このうち「Aozora」と「iVBook」は扱える作品が固定されており、自分で増やすことができないため、好きなものを読むという目的にはかなわない。「soRa」は青空文庫からダウンロードする機能があるものの、30の著者、1000作品と制限がある。理由はわからない。「soRa」より多くの作品を扱える「AozoraRead」は、レビューによれば「重い」「落ちる」とあって、やはり快適な読書には今ひとつ信頼できそうにない。
なんだかいまいちなのばかりだなと思っていたところ、新たに登場した「SkyBook」がなかなかよさそうである。青空文庫に登録されている7600を越える作品のほぼすべてを自由に読み込めるし、動作自体も非常に軽いという。さっそくダウンロードしてみた*2

IMG_0002 IMG_0001 本文画面とメニュー画面

確かにこれは気持ちがいい。「取り込んで読む」というシンプルなアプリであるが、それがまともにできることのすばらしさを味わうことができる。これからバージョンアップするなら、任意のページに移動できる機能と栞機能あたりはぜひ実装してもらいたい。これだけあれば、もう他はいらない。もちろん形態素解析をして自由自在に検索ができるとか、任意の形式のデータベースを生成して吐き出してくれるとか、そういう変な機能がつくなら、それはそれで嬉しいけれど、きっとこのアプリの守備範囲ではない。詳細は以下のブログで(丸投げ!)。

ただしモリサワ謹製のアプリ*3が出たら、きっとすぐに乗り換えると思う。我ながら忙しいことで。