師走に舞う桜吹雪

morio01012008-12-17

所属する部署の行事で国立劇場*1に行ってきた。毎年恒例の歌舞伎鑑賞会である。今年の12月の演目は「遠山桜天保日記*2」(竹柴其水作)、ご存じ遠山の金さんである。演じるのは音羽屋、尾上菊五郎である。寺島しのぶの父ちゃんを初めて生で見て興奮する。もちろん菊之助も出ていた。
明治に初演されたこの演目は、江戸天保期の町奉行遠山金四郎と明治に現れた日本初のピストル強盗清水定吉を織り込んだ痛快活劇である。当初からたいへんな評判となり再演を重ねたらしいが、今回、歌舞伎では半世紀ぶりの上演となる。
どこをどう切っても勧善懲悪の物語であるが、遠山の金さんよりもむしろ悪役たちのコミカルで小気味よい活躍ぶりが見所であった。現代劇風にわかりやすくアレンジされた脚本は、少々やりすぎではないかというようなところがあるものの*3、総じて安心して見られる娯楽劇としてうまくまとめられていた。もちろん締めの桜吹雪の裁きでは拍手喝采である。期待していたものが期待通りに演じられ、舞台は大いなる幸福感に包まれながら幕を閉じた。
夜は顧客たちと新宿で飲んだ。そういえば新宿界隈に行くのは久しぶりだった。あいかわらず夜でも空が明るい。

*1:http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu/index.html

*2:http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2173.html

*3:「ぐ〜!」とか「なんも言えねぇ」とか泥棒の場面にピンクパンサーのテーマ曲とか