また溜め込んでしまう

魔法のどうぶつえん 旭山動物園写真集 (Pen BOOKS)今年初めてbk1から本が届いた。読むよりも溜め込むのに忙しい生活がまた始まる。
『魔法のどうぶつえん』(阪急コミュニケーションズ)は、猫をはじめとする動物写真を得意とする岩合光昭旭山動物園を撮影した写真集である。いまや集客力日本一となったこの動物園の写真集は掃いて捨てるほどあって、そのすべてを見たわけではないけれど、きっとブームに乗った便乗商法で粗製濫造された物も多いと思われる。岩合の写真集には動物の表情をクローズアップしたものが多数収められ、生き物の意志や感情がまっすぐ伝わってくるような高揚感がある。イワン、毛が生えた?
本棚シリーズに続いて刊行されたヒヨコ舎『』(アスペクト)も興味深い。浦沢直樹・中村好文・大平貴之・ひびのこづえ・小林紀晴・松井龍哉・鈴木成一四谷シモン箭内道彦・成沢匡史・長谷川弘・宮沢章夫寄藤文平。その道のプロの作業場、しかも何かが生み出されるまさにその現場が集められている。他人の書斎や本棚を見るのはワクワクさせられる。知的レベルとかセンスとかがうかがえるとでもいうか*1
西岡文彦絶頂美術館』(マガジンハウス)は美術の世界のエロを論じる。ヴィーナスの足指がなぜ反り返っているかとかね。妄想の入った絵解きは無責任で楽し。港千尋の『レヴィ=ストロースの庭』(NTT出版)は淡いトーンのモノクロ写真が20世紀の知の巨人の圧倒的な存在感を浮かび上がらせる。『構造人類学』が刊行されてもう50年になるのか。
他には小説や娯楽本を何冊か。カレル・チャペックの『北欧の旅』(ちくま文庫)も読むのが楽しみである。

*1:あ、上から目線?