月の桂離宮

月の桂離宮(DVD付き) (三好和義写真集)正月に某国営放送局で桂離宮の特集番組を見た*1。ベテランアナウンサー*2の落ち着いた語り口(ちょっと芝居がかっているけど)に導かれて、近世の武家の世に王朝の美を再現しようとした公家の心意気や矜恃に感じ入った。日本庭園の最高傑作とも称される回遊式の庭園や静謐な気配の満ちる書院を、「月」をキーワードにして魅力的に描いていた。
どうやらこの番組は昨秋に同局ハイビジョンで放映した番組の再構成されたものであるらしい*3。そのオリジナルの番組が収められたDVDと楽園写真家として名高い三好和義の写真集*4がセットになった書が刊行された。なんとも贅沢なコラボレーションである。今夕、bk1から届くなり、お腹の空いていることも忘れて見入ってしまった。青白い月光に照らし出された幻想的な桂離宮に酔えます。
  桂離宮宮内庁サイト) http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
その他にやってきたもの。秋月高太郎『日本語ビジュアル系』(角川ONEテーマ21新書)、宮沢章夫『アップルの人』(新潮文庫)、河上徹太郎吉田松陰』(講談社文芸文庫)、木田元『なにもかも小林秀雄に教わった』(文春新書)、瀬田勝哉『洛中洛外の群像』(平凡社ライブラリー)、佐伯一麦芥川賞を取らなかった名作たち』(朝日新書)。ツン読の山、さらに高く。