東京の道案内本

東京の道事典東京に4年住んだとはいえ、そのうちの3年間は町田に引き籠もっているような状態であった。都心部に出て行くのはめんどくさくてね、とあらためて言わなくてもいいか。それでも東京のことを考えさせるような本はぽつりぽつりと買い溜めてきた。それをネタにした楽しい会合に参加させてもらったりもした。
伊藤美樹『山手線ぐるり おみやげ散歩』(ポプラ社)は山手線全駅のガイドブックである。駅周辺の見物や名物がイラストで紹介されている。生粋の東京人には今さらな内容かもしれないけれど、「Englishman in NewYork」状態な私にはとてもありがたいし、興味深い。やや食い気に走り過ぎかもねというところはご愛敬である。すでに付箋だらけになっている。
吉田之彦他編『東京の道事典』(東京堂出版)も最近手に入れた一冊である。こちらは東京堂出版から刊行される書物らしく、極めてお堅い内容となっている。都内の幹線道路の概要や由来、現状、周辺の様子などが淡々と記述されている。地図と照らし合わせながら読み進めると、点が線につながり、さらに面に広がっていく気持ちよさがある。同じ出版社から出ている『東京の散歩道』も手元にあるけれど、こちらは総花的で内容が薄い*1。こういう案内本はそこに行ってみたいと思わせてくれないとね。

*1:もとは読売新聞夕刊の連載記事