美しい言葉

BRUTUS (ブルータス) 2009年 11/1号 [雑誌]品川駅構内の書店で「美しい言葉」と大書した表紙を見かける。「BRUTUS」だ。どういう切り口で捉えているのか、たいへんそそられる。
文学関連は高橋源一郎橋本治が現代ものから古典まで手広く押さえ、その他は流行歌の歌詞や葬送のことば、方言、新世代俳句など多岐にわたる。twitterなんかも出てくる*1
記事内容は玉石混淆としか言いようのないカオスである。「美しい」と言うより「格言」「処世訓」めいたものを取り上げがちで、なんとなく道徳っぽいところに違和感を覚える。まるで相田みつを金子みすゞに接した時の気味の悪さがある。尻がもぞもぞしてどうにも落ち着かない。「美しさ」というのは、そもそも浅薄な「実用」や「道徳」とは次元が違う高尚な概念であろう。シンプルで衒いがなく、そして何より受け取る側に自由な想像を許す懐の深さがある、はず*2
でも特集としてはまずまず楽しめた。美しいタイポグラフィとして古筆を取り上げていたのにはにやりとさせられた。

*1:twitterでまじめに連歌連句などをやったらたいへんおもしろいと思う

*2:あ、逃げた