鑑真和上の足跡を辿る

morio01012010-01-04

初詣は大阪天満宮と近所の神社ですませた。ついでに太陽の塔にもお参りした。残るは仏関係ということで、鑑真和上縁の奈良の諸寺を巡ることにした。
唐招提寺*1は2000年からの10年にわたる大修理を終えたばかりで、先年の11月に落慶法要を執り行った*2。昨夏に訪れた際は、金堂の覆いは取り外されていたものの、内部は見ることができなかった。安置されている盧舎那仏薬師如来・千手観音の三仏ももちろん見られなかった。
近鉄西の京駅に降り立つと、観光客が目立つ。多くの人たちは薬師寺方面に流れていく。日光、月光にも心惹かれるところだが、今日のところはパスして、唐招提寺へ急ぐ。南大門をくぐると豪壮かつ優美な「天平の甍」を持つ金堂が目の前に現れる。建物自体が国宝の金堂の中には、やはり国宝に指定されている九体の仏像が収められている。なんとも豪華な天平の空間である。金網に顔を近づけて、薄暗い堂内を凝視する。
圧巻なのは千手観音立像である。十一面四十二臂とするものが一般的である中、この仏像はリアルに千本*3の腕を持つ。大小の腕が陣地取りをしながらうじゃうじゃしている。じっと見ていると、なんでも救ってくれそうな気になってくる。隣の盧舎那仏は光背が凄いことになっている。化仏がびっしりと貼り付けられているのであるが、その数、やはり千*4。千手観音共々、小さいものが大量に群れているという絵に怖気を催す人もいるだろう。薬師如来はすっとした立ち姿で、他の二体とは違ってシンプルな造りである。これだけは平安の作で、やはり天平のものとは趣が違う。お参りする人の邪魔にならないように、三体の前を行ったり来たりした。
すっかり満足して、次は東大寺*5戒壇院に向かった。
来日した鑑真は唐招提寺を開く前に東大寺で5年を過ごした。戒壇院を建立する前はこの地で聖武天皇光明皇后らに戒を授けたとされる。ここの堂には奈良時代作の四天王(塑像)が安置されている。いずれも国宝である。そしてこの四天王は、とにかく顔が素敵なのだ。妙に人間臭くて生々しい。私は思慮深い表情を浮かべる広目天が気に入った。筆と巻紙を手にして文系草食男子を気取っているが、しっかり邪鬼を踏みつけているのはご愛敬である。お堂の中を十周くらいくるくる回って、四体をじっくり検分してきた。
2010年は遷都1300年目に当たる。悪名高き「せんとくん」がいよいよ活躍の時を迎えた。発表当初の世間の風当たりの強さもすっかり収まったようで、むしろ俄然人気者になっているような感じすらある。つい携帯ストラップなどを購ってしまった。iPhoneにはつけるところもないのに。
難波に戻って、買い物がてら懐かしいところを歩き回った。充電完了。明日は新年の仕事の準備をし、明後日に東京へ向かう。
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