中央公会堂の安藤裕子その3
冬恒例のアコースティック・ツアーも今年で3回目になる。大阪の会場は今回も中之島の中央公会堂だ。重厚な煉瓦造りの近代建築にピアノとギターと歌声だけが響く。
昨年は新しいアルバムが発表されず、秋のシングル曲もいまひとつピンとこなかった。どことなく力に翳りが見えなくもないなと思っていたら、今日の会場も2階の自由席が半分以上空席だった。売れなかったのか、知られていなかっただけなのか。
遮るものが何もない2階正面の1列目から、安藤の歌に聴き入る。この人の楽曲はやはりこういうシンプルな構成でじっくり聴かせるのがいいとしみじみ思う。変に煽って立ち上がらせても、ノリで忘我の境になることは決してない。だから本編最後の曲で「合唱コンクール」と称して、全員を立ち上がらせ、歌うことを強いられた時にはげんなりした。あんなこと、しなきゃいいのに。音楽の楽しみ方なんて、人それぞれなんだし。
と、こういうことも思ったけれど、それ以外はとてもよかった。懐かしい歌、好きな曲をたくさん演奏してくれたのが嬉しかった*1。去年は東京国際フォーラムにまで進出したものの、明らかに身の丈に合わない会場だった*2。これからは知る人ぞ知る存在になってもいいから、小さいところで丁寧な音楽活動を続けてもらいたい、と評論家のようなことを上から目線で言ってみる。
会場に行く途中でお初天神に立ち寄る/中之島で目撃した禍々しい夕雲
終演後の中央公会堂/寂しい夜道を歩いて帰る
セットリストは折り込んだ。
安藤裕子 2010 Acoustic Live 大阪市中央公会堂
【本編】
- ヘイディーズ
- creamy magic
- 余興:a happy new year (yuming)
- TEXAS
- パラレル
- 再生
- 眠りの家
- 海原の月
- お祭り -フェンスと唄おう-
- 黒い車
- Paxmaveiti ラフマベティ -君が僕にくれたもの-
- 夜と星の足跡 三つの提示
- 隣人に光が差すとき
- 人生お見舞い
【アンコール】
- 問うてる
- 歩く
*1:私のためではないのはもちろんそうなのだが