秀吉も愛でた桜

平安時代に創建された醍醐寺*1は、慶長年間に豊臣秀吉が催行した「醍醐の花見」で名高い。満開も近いとのことででかけてきた。そして圧倒された。
短い参道に続く総門を抜けると、右も左も桜、桜、桜である。広大な敷地が見事に桜色に染まっている。およそ八分咲きというところだろう。枝垂桜の花の波が染井吉野とは趣の違う異世界を象る。とりわけ秀吉との関わりの深い三宝院の桜が見事で、いくら見ても見飽きることがない。
京都で最も古い建立の五重塔をはじめとして、金堂や三宝院内の書院など、国宝、重文の建造物も見応えがある。霊宝館には醍醐寺縁の宝物が収められ、ここでも貴重な文化財に迎えられる。国宝の薬師三尊はもとより五大尊像画や文殊渡海図(ともに鎌倉・国宝)、如意輪観音座像(平安・重文)なども色っぽくてよかった。折りよく読経ライブにも居合わせることができ、よりいっそう楽しめた。
桜は必ず風に揺れるので、露光時間の長い針穴カメラで撮影すると、ごちゃっとした薄ピンクの塊になりやすい。さて今日のはどうなったことか。
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