平城京へ突撃する

morio01012010-05-03

昨日うちに来たばかりのDahon Mu Unoの試走をかねて、遷都1300年祭にわく奈良へでかけてきた。もちろん偽物の大極殿朱雀門のあるメイン会場にはまったく関心がないので、本当のお宝を見せてくれるお寺巡りをするのだった。
近鉄西大寺駅まで輪行し、そこで自転車を展開、まずは西大寺へ。ゴールデンウィークの期間に秘仏愛染明王坐像(鎌倉、重文)が特別に開帳されている。さすがに秘仏だけあって衣紋の戴金や朱の彩色が鮮やかに残っている。なまめかしくて美しい。小作りで引き締まった印象があった。他では6メートル以上の体躯を誇る十一面観音立像(鎌倉、重文)や天衣の襞が美しさが際立つ本尊釈迦如来立像(鎌倉、重文)などにうっとりする。この寺はメイン会場からほど近いこともあり、ひきもきらず観光客が押し寄せていた。
続いて秋篠寺に向かう。特別公開をするものはないものの、新緑に覆われた庭がたいへん美しい。物欲で濁りきった心が洗われるようだった。この寺の仏像では秋篠宮妃に似ているとされる伎芸天(頭部のみ天平、重文)が有名である。実際に見ると、ちっとも似ていない。秋篠という名称つながりで無理やりそう言ったのだろう。芸能の祈願を納受する仏様であるが、国内では他には遺例が見られず、唯一のものであるらしい。頭部と体部ではおよそ500年も制作時期が離れているのに違和感はまったくない。そしてやはり美しい。本堂(奈良建立、鎌倉改修、国宝)の静かな佇まいもよかった。
道路が人や車でごったがえしていて息苦しい。もう帰りたくなった気持ちを抱えながら、法華寺と海龍王寺が十一面観音立像を十日間だけ公開しているので、それも見ていくことにする。それぞれの美仏の感想は昨秋の記事に譲る*1
5時を過ぎたところで東大寺の講堂跡に行ってみた。万城目学の『鹿男あをによし』に何度も登場する場所である。ちょうど大仏殿の裏側に当たる場所で、あまり訪れる人はいない。鹿がいるだけだし。テレビドラマでもしばしば舞台として映っていた、その場所が目の前に広がっていて、ちょっと感激する。基本ミーハーです。
帰りは近鉄奈良駅から輪行する。切符売り場がとんでもない混雑で、あんなの見たことない。せんと君になんとかしてもらいたいところである。
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*1:奈良佐保路の古刹巡り http://d.hatena.ne.jp/morio0101/20091109