新しいおおきな木

おおきな木SWISSシェル・シルヴァスタインの名作絵本といえば、『ぼくを探しに』と『おおきな木』であるのに異論の余地はないであろう。私も子どもが小さい時によく読み聞かせをしたものである。
このうちの『おおきな木』が村上春樹の新訳で登場した。長く親しまれてきたほんだきんいちろう(本田錦一郎)訳の旧版はすでに絶版らしく、手に入りにくくなっている。両者の翻訳がどの程度違うのか、残念なことに家にあった絵本の多くは親類か世話になった保育園に譲ってしまったので、ほんだ版『おおきな木』ももはや手元にはない。ネットで少し探ってみると、旧版の訳がよかったという声があちこちで見られる。ただその大半は慣れ親しんだものへの深い愛情といささかの感傷があってのことだと思える。機会があれば古いのを探して、自分の目で確かめてみたい。
下の映像はシルヴァスタイン自らがこの物語を朗読するアニメーションである。ハーモニカも自身で吹いているようだ。

長島有里枝の新作写真集『SWISS』(赤々舎)は、3週間のスイス滞在中の日記と写真を収める。以前のものとはずいぶん雰囲気が変わったように思う。