空海>法然+親鸞

morio01012011-10-28

今週の火曜日に始まった「特別展 法然親鸞 ゆかりの名宝*1」を見てきた。東京国立博物館のある上野恩賜公園界隈は、秋の行楽シーズンになっているためか、平日であるのにも関わらず、たいへんな人出だった。
ところが、東博に着くと、意外なまでに人がいなくて、明らかに9月までやっていた「空海*2」より館内の人口密度が低い。確かに始まったばかりということもあるだろうが、これでは八百回忌の法然も七百五十回忌の親鸞も浮かばれまい*3
かなりの点数が展示されているため、満遍なく見ようとしてもくたびれるばかりで得るものがない。「教行信証(板東本)」「観無量寿経註」「西方指南抄」「法然上人行状絵図」「当麻曼荼羅縁起」「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」「熊野懐紙」「本願寺本三十六人家集」(いずれも国宝)あたりに狙いを定めて、あとは体力気力の続く限り鑑賞することにした。
絵や仏像に較べて、経典関係は流していく人が多いので、好きなものを好きなだけ観ることができた。とりわけ「観無量寿経註」の行間や余白にある親鸞の凄まじい書き込みに感激した。単眼鏡で拡大しても読むのが大変な細密画のような書き込みに、求道への真摯な姿勢がうかがわれる。展示の掉尾を飾る「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」にも、もちろんうっとりした。あのスピード感は、ちょっとマンガみたいでおもしろいのよ。全体的にマニアックな展示物が多いものの、中世のスター僧侶の事跡を辿るのにはよい展覧会であろう。
帰りに覗いた物販コーナーに、海洋堂が制作した法然親鸞のフィギュアがあったのには驚いた。他には金ぴかのBE@RBRICKも。そこまでするか……。