邦画の監督
月が変わるまで拘束感に満ちた仕事はなく、自発的に抱えているものだけを順番にやっつける日々。水曜日にちょっとだけ会議があるため、ほとんど乗客のいない午後ののぞみの人になる。
新幹線に乗り込む前に駅構内の書店で「AERA MOVIE ニッポンの映画監督 (AERA Mook AERA MOVIE)」を購入する。21世紀になってからの日本の映画界を俯瞰するという、邦画好きにはこたえられない特集号である。内容やジャンルや流行ではなく、監督や脚本家などで見に行く映画を選ぶような人にはたまらないものであろう。
巻頭に映画関係者によるアンケートをもとにした「21世紀の日本映画ベスト30」が掲げられているが、これが心のストライクゾーンど真ん中を突いてきた*1。
暴力的な描写が苦手であるため、「血と骨」だけは観ていない*2。あとはどれも「超」のつくお気に入りばかりである。ここに記していない11位以下の映画も、ごく一部を除き納得できるラインナップである*3。1980年代以降に活躍する監督たち*4の経歴もわりと細かく記されており、これまでの仕事ぶりや意外な人間関係を知ることができた。青山真治や黒沢清らのインタビュー、西川美和と山下敦弘の対談、各種コラムなど、読み応えのある記事も数多く収められている。
洋画より邦画、大手より単館系という方にはお薦めの一冊である。東京に着くまでむさぼるように読み続け、次に見たい映画をせっせとリストアップしたのであった。幸せな時間だった。
夜のニュースでiPod shuffleが5800円になった*5ことを知る。新しい2GBでも7800円だ。これだけ安いと散歩用に一台ほしくなる。