新宿でティルマンス

Wolfgang Tillmans Lighter金曜日は出番がない。会議もない。朝から職場の自室でやりたい仕事だけをやる。平和で幸せである。
おやつ時に引き上げて、新宿に出る。自転車で行くつもりにしていたのだけれど、置いたままにする時間が長くなりそうだったので、電車を使うことにした。渋谷や新宿のようなところで自転車から離れると、どうにも落ち着かない気分になるのが嫌である。
ヨドバシカメラタワーレコードで「ああ」だの「うう」だの唸りながら、必要なものとほしいものを手に入れる。CDを2枚ばかり。トニー・グレイ*1の新作「チェイシング・シャドウズ」には盟友の上原ひろみとマーティン・ヴァリホラが助っ人として参加している。ロドリゴ・Y・ガブリエラ*2はメキシコのギター二人組であるが、なにしろ演奏のパフォーマンスが凄い。たまたまタワーレコードでその様子が映像として流れていたのを見て、一目で気に入った。アンナ・ネトレプコが出ている「ラ・ボエーム」は来月に延期になってしまった。
GRの感触を楽しみながら、西新宿にあるギャラリーWAKO WORKS OF ART*3に向かう。ヴォルフガング・ティルマンスの写真展を見る。無造作に壁に貼り付けた写真、きちんと額装されたもの、オブジェとして飾られる皺を付けた印画紙など、画一的な展示ではない。だからといって奇を衒っているわけでもない。一見して綺麗と言わせるような写真ではないだけに、万人に受けるとは思えない。しかし、なんとなく喉の奥に残るざらついた感触とでも言えばいいだろうか、すんなり飲み込めないだけにその異物感が大いに気になるという作品群であった。見てよかった。
R0010021 shinjuku