写真の読み方の本

新刊の今橋映子『フォト・リテラシー』(中公新書)を新幹線の友にした。写真の読み方と言えば、名取洋之助の名著『写真の読みかた』(岩波新書)がただちに思い起こされるのであるが、問題への切り口はともかく内容的にいささか古めかしくなったのは否めない。今橋のそれは、欺瞞に満ちた写真への幻想や先入観をぬぐい去った後に見えてくるものを、今の時代と絡めて読み解こうとする。刺激的である。