人の座席を掠めとる女

セブン・ジプシー・ナイツチャボロ・シュミットを実の父と信じる自称仏蘭西*1と一緒に、その父親の演奏を聴きに行く。会場は道玄坂にほど近いDUO Music Exchange*2である。しかし、まぁ、なんですなぁ、周囲はラブホだらけでウブな私は気恥ずかしい、と言ってみる。
整理番号が若いものだったので、開場時間ちょうどに待ち合わせる。隣接するo-eastでは太陽族なるロック・バンドがライブをするようで、揃いのネーム入りTシャツを着込む人もいたりするなど、今や遅しと開場を待つ若者たちの熱気が凄い。こちらのチャボロ目当ての人たちとは明らかに年齢層が違う。にもかかわらず、私の前で間違えて入場しようとしたロック・ファンの若い男子は、周囲の客との違和感を感じなかったのだろうか。
入り口でドリンク代を支払い会場に入る。ブルーノートとは違って、自分で好きな座席を選べるシステムである。まだ20名ほどしか入場していないので、中央最前列から3列目くらいまで以外はどこにでも座れる状態だった。舞台に向かってやや右手の2列目に座ろうとしたところ、いきなり椅子の上に鞄が出現する。何が起こったのか、よくわからないまま、その鞄の持ち主を眺めると、「ここ、三人で座りますから」と三十絡みの女が言う。あまりの厚かましさに呆れかえる。思わず大阪のきつい言葉が口をついて出そうになったけれど、東京生まれの仏蘭西人の同行者もいるし、下品なことはやめておこうと,厚顔無恥な女の後ろの席に大人しく座った。嫌な感じ。
チャボロ他三名は心から楽しそうに演奏をしていた。チャボロの子供のようなわがままっぷりを、他のメンバーがさりげなくフォローしたりして、見ていて実に微笑ましい。会場の雰囲気もとてもあたたかなもので、メンバーの見せ場では大きな拍手をし、聴かせどころではじっと耳を傾けている。宴席でのカラオケよろしく、無駄な手拍子をしないのも好ましい。皆さん、大人です。
ああ、もう寝ないと。続きは明日書きます。