目黒川の桜に乗り遅れる

morio01012009-04-10

会議二連発の後、夕方に目黒川まで自転車を走らせたけれど、桜花はほぼ終了、花筏も護岸の際に残骸が残るのみだった……。やっぱり遅かったか。やけくそで針穴写真を2枚だけ撮った。
「東京! 100人の新発見。」という特集を組む「Casa BRUTUS」最新号*1をコンビニで見つけた。いつ読んでも「ランチに数千円」を簡単に出せるような人以外お断りな気配*2が漂っている、と内心で文句を言いながら、結局買っている。蒼井優が出ているから。あと村上隆の花柄皿もおまけでついているから。この小皿は漆器を扱う「NUSSHA*3」が手がけたもので、友禅染の村上花柄が樹脂加工され、さらに漆塗りのテイストで仕上げられたという、なんだか自分で書いていながらよくわからない代物(!)であるが、安っぽさはなく、雑誌のおまけにしては上等なものである。もちろんこれに億の値がつくことはありえないけど。
bk1から本が届く。直木賞を獲った森絵都の『風に舞いあがるビニールシート』(文春文庫)は最初の一話を読んでちょっと嫌になる。角田光代唯川恵と同じ臭いのする気取った文章で鼻白む思いがする。田中優子の『春画のからくり』(ちくま文庫)は図版も豊富でいやはやなんとも。もちろん日本文化論の書だから、単なるエロではない、はず。暮沢剛巳『現代美術のキーワード100』(筑摩新書)、布施英利『京都美術鑑賞入門』(ちくまプリマー新書)はお楽しみとして。中高生向きに書かれた布施の京都本は、学び直しをしようとする大人にも有益であろう。名著『仏像のひみつ』『続仏像のひみつ』(山本勉、朝日出版社)でイラストを担当した川口澄子がここでも味わい深い挿絵を描いている。他には松岡清剛の『多読術』(ちくまプリマー新書)、湯浅邦弘『諸子百家』(中公新書)、『日本の言語景観』(三元社)、森村泰昌手の美術史』(二玄社)など。森村のは西洋絵画に描かれた「手」だけを集めた書である。集められた手を見ると、どれも実に雄弁である。

*1:http://magazineworld.jp/casabrutus/110/

*2:あくまでもイメージですから

*3:http://www.nussha.com/