透明な標本

[新世界]透明標本~New World Transparent Specimen~テレビの何かの番組で見かけて、たいへん気になっていたものがある。
透明標本と呼ばれるそれは、小動物の骨格があたかも精巧なガラス細工のごとく着色され、もはや立派な芸術作品である。どうやって作っているのだろうという現実的でくだらない疑問はこの際いっさい忘れ、その美しさにひたすら浸っていたいと思わせる強烈な魅力を持っている。
その透明標本の作家である冨田伊織が代表作を一冊にまとめて出版した。手元で美麗な標本写真を心ゆくまで眺めることができる。
  新世界『透明標本』 http://www.shinsekai-th.com/
横尾忠則の新作『東京Y字路』(国書刊行会)は、得意とするモチーフ「Y字路」を撮りためたものである。圧倒的な執着感にたじろぐ。