ばななとはるき

神保町公式ガイド vol.1 (メディアパルムック)もしもし下北沢避けがたくやりきらなければならない仕事のために、傘を差して仕事場に赴く。雨が冷たい。暗くなるまで人少なな場所で資料を読んだりコピーを取ったり赤ペンを走らせたりキーボードを叩いたり、そんなことをしていた。
帰りに松陰神社通り商店街にある書店で神田古書店連盟の作った『神保町公式ガイド』(メディアパル)とよしもとばななの『もしもし下北沢』(毎日新聞社)を買ってきた。よしもとの小説を手にするのは久々である。カラフルな表紙の絵も含めて装丁がとてもいい。パラパラと読むと、世田谷界隈の見知った地名がたくさん出てくる。もとは毎日新聞の連載小説だったらしい。
装丁と言えば、昨日放映された「情熱大陸」に出ていた名久井直子の仕事ぶりがおもしろかった。装丁家らしく紙やフォントのこだわりがすばらしい。それも仕事としてではなくて、紙や字が好きで好きでたまらないという、実にまっすぐな嗜好のありようが爽快だった。
娘が村上春樹の「カンガルー日和」が定期試験に出題されるからちょっと教えてくれと言ってきた。今時はこういうのが教科書に載っているのだな。それで東京に持ってきている『村上春樹全作品1979-1989』の5巻を引っ張り出して読み始めたら、他の小品もおもしろくてやめられなくなった。そして娘なんて影も形もない遠い80年代を思い出した。やれやれ。