秋の宇治

morio01012010-11-28

古臭いものが見たいという娘*1を連れて、宇治へ出かけてきた。
秋の行楽シーズン真っ直中の京都はどこも人でごったがえしている。京都駅から一駅目の東福寺でも大勢の客が降車していった。そろそろ紅葉も終わりを迎える頃だから、この週末の通天橋は崩れ落ちるかと思うくらいの人がいたのではないか。
さて、宇治である。JRの駅を降り立ち、平等院方面へ向かって歩いているのは、私たち二人だけである。あれ、と思うくらい人がいない。参道付近まで来て、ようやくそれらしい賑わいが現れて、少しだけ観光地らしい気配となった。
平等院*2ではBDI52*3こと雲中供養菩薩と唯一の定朝真作と認められる阿弥陀如来像が見物である。もちろんそれらを納める鳳凰堂も見逃せない。今回も当たり前のように内部見学に参加する。濃密な国宝満載の空間にうっとりした。
院蔵のお宝を展示する鳳翔館では雲中供養菩薩像の3D彩色復元画像のダウンロードサービス*4を行っており、しかも見本の展示にはiPadを使っていた。ここのミュージアムショップの充実ぶり*5と合わせ、他にはないやり方をおもしろいと思う。
平等院は訪れた人を楽しませることをよく考えている。時に勇み足*6のようなことをしでかすこのサービス精神の是非はひとまず措くとして、著名寺院の「責任」の果たし方の一つの形としてよしとしたい。
あとはお約束の宇治川宇治上神社を巡り、駅に戻ってきた。源氏物語ミュージアムは時間がなくてパスする。もっともここはいまいちな所だし、行けなくても残念ではない。そこここで紅葉が美しく色づいており、錦秋の古都をたっぷりと楽しんで引き上げてきた。

*1:前にもこういう書き方をしたような

*2:http://www.byodoin.or.jp/

*3:無理矢理命名

*4:http://www.byodoin.or.jp/news/news1011.html

*5:雲中供養菩薩をトランプやステッカーにする、阿弥陀如来の切り絵や鳳凰堂のジグソーパズルを作るなど、ちょっと掟破りの売り方をしている

*6:http://genjiito.blog.eonet.jp/default/2009/07/post-cf5c.html