ギラリとした凄みを愛す

LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08-自分の仕事をごそごそと片付けてから、おやつ時に渋谷の同業他社に赴く。年内最後の公的な仕事をこなす。ずっと気の重い状態が続いていたけれど、とりあえずトンネルは抜けそうな感じがした。もっとも具体的に何ができるかはまだわからない。
晩ご飯は宮益坂近くのおばんざい屋で*1。なかなか雰囲気の良い店だった。三日連続でお酒を飲むとは、今の時期ならではの珍事である。時にiPhoneのセールスマンになったりしながらあれこれ飲み食いし、9時半頃に解散になった。
なんとなくまっすぐ帰る気分でなくて、ブックファーストHMVで散財大会と相成る。まずは書店で電源いらずの小型スピーカーが付録についている「DIME*2」の最新号と、石川直樹の『石川直樹 写真集 Mt.Fuji』を購う。
石川直樹 写真集 Mt.Fuji石川の新作は霊峰富士を「見る山」ではなく「登る山」として捉え、その視点から絵を切り出していく。そこにはおよそ風光明媚とはほど遠い富士山の姿が立ち現れている。野口里佳の『鳥を見る―野口里佳作品集』(P3 art and environment)に収められる富士山写真に通じるものがあると感じた。「富士山はこう撮れ!」なんていうそこらのマニュアル本にある凡百な富士山写真群とは一線を画す。対象をしっかり咀嚼し、自らの血肉にした人のみが見せられる芸になっていると思う。やはり一回的な営為だけが持つギラリとした凄みがないとね。一方「DIME」のスピーカーは、先日手に入れた小型プロジェクター&iPodとのセットで活躍してくれそうだ。
HMVではYellowMagicOrchestraの新譜「LONDONYMO-YELLOW MAGIC ORCHESTRA LIVE IN LONDON 15/6 08-」と買い忘れたままになっていた原田郁子の「気配と余韻」(初回限定版)を。YMOの欧州ライブ盤はスペイン編も同時発売されているが、英国編を選んだ。なんとなく。来春には同じステージの映像作品も発売されるらしいので、そっちも楽しみにしたい。彼らにもギラリとした凄みがあるのは言うまでもない。