豚肉文化に挑戦

東京ブックナビ「挑戦」とは大袈裟である。
東京にたくさんあって大阪に少ないもの。蕎麦屋鯛焼き屋、そしてトンカツ屋である。もちろん大阪にもトンカツ屋はある。しかし、「KYK*1」とか、「かつアンドかつ*2」とか、「豚晴*3」などのチェーン店がもっぱらであって、個人経営のトンカツ屋は少ないようだ。トンカツを出す店があっても、それは洋食屋だったり、レストランだったりで、看板に大きくトンカツを謳うところはあまりない。東京では小さな個人経営のトンカツ屋がけっこう目に付く。やはり豚肉文化圏であることをうかがわせている。
三軒茶屋にあるトンカツ屋「とんき*4」に入った。世田谷通りを歩いているとすぐに見つけられるところで、以前から気になっていた店である。カウンターだけの店ながら、一人客も多く、変な気を遣うこともなくてよかった。カツの衣は大阪の串カツのそれのようで、外側のパン粉が毛羽立っておらず、具材にまとわりつくような薄いものである。なんとなく懐かしい気分になる。何によらずサクサクとかパリパリというものばかりを愛でる昨今の風潮であるが、ここのものは明らかにそういう食感ではない。それが好ましく感じられた。また接客サービスもとてもよかった。混み合っていて忙しいのにも関わらず、おかわり自由のごはんやキャベツがなくなりそうになると、すぐに声をかけてくれるし、飲みかけのお茶が冷えているようだと、さっと熱いものと取り替えてくれたりと、細かな心配りが素晴らしい。また行こう。
四年ぶりに改訂された『東京ブックナビ』と「BRUTUS」最新号を買ってきた。「BRUTUS」は大学の教壇に立つ著名人の講義の記録である。のぞき見趣味で。iPhone用のワンセグチューナー&充電器は全滅(@三軒茶屋)だった。