光琳の燕子花

morio01012012-05-09

根津美術館で開催中の「KORIN展」を観てきた。根津美術館蔵「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」が100年ぶりに同時に展示されるというものである。この美術館は規模こそ大きくないものの、どの企画展でも選び抜かれた逸品が展示されることが多く、まさに少数精鋭といったことばがピタリと来る。
会期が残すところ10日ほどとなっているためか、平日昼間にもかかわらず、館内は非常に賑わっていた。しかし、東京国立博物館などでの数時間待ちということはなく、自分の観たいものは少し待てば目の前でじっくりと鑑賞することができる。目玉の二つの燕子花の屏風もためつすがめつ観ることができた。もう穴が開くくらいたっぷりと。高度に意匠化された燕子花の群の奏でるリズムが心地よく、光琳の最高傑作とされる「紅梅白梅図屏風」(MOA美術館蔵)とは別種の感興を覚えた。眼福。光琳大好き絵師の酒井抱一の屏風もよかった。
根津美術館ご自慢の庭はちょうど燕子花が満開になっていた。どんよりとした曇空だけが残念だった。
 公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

この1週間のことを思い出そう

morio01012012-05-07

治りそうで治らない風邪は、その後悪化し、火曜日のプレゼンのようなものでは酷い醜態を晒してしまった。やむなく初めて東京で医者にかかった*1。きちんと薬を出してもらったからか、その夜にはずいぶん楽になった。無理に我慢するのはよくないね(説得力なし)。
連休後半は大阪に戻り、風邪を完治するべく、静養にこれ努めた。もっとも諸々の会議のための資料作りとか、連休明けの本業のためのあれやこれやの作業は避けられず、持ち帰っていたけれど。そういうのは、もういたしかたない。自転車で走り回る、京都奈良に行く、梅田あたりに買い物に出かける、というお楽しみはいっさいなしで終了。そのかわりに(?)「モテキ」や「プリンセストヨトミ」を観て、ももクロちゃんや指原さんの映像を楽しみ、娯楽色の強い本を読んだりした。こどもの日には安藤裕子のライブに出かけた。これが唯一の外でのお楽しみだった。愛猫の年に一度の検診もすませた。
そして月曜日ののぞみで東京に戻る。帰りがけに六本木に寄って、ももクロちゃんイベント*2を冷やかしてきた。モノノフの中の剛の者たちは5周だか6周だか巡って、コンプリート記念の何かを得ているようだが、私にはとても無理だ。リーダーの声をお供に1周だけして寓居に。そしてちまちまと明日の会議の準備を進めるのだった。

*1:除く歯医者

*2:http://www.momoclorpg.com/

きょうのできごと

morio01012012-04-29

  • 風邪が治りそうで治りきらない。喉にまとわりつくような違和感とじわじわと来る咳がつらい。
  • 高速夜行バスが酷い事故を起こしていた。乗ると体に大ダメージを受けるので、もはや自分で乗ることはないと思うけれど、ニュースで見るだけでも背筋が寒くなって落ち着かない。
  • 冬用の寝具を洗濯して片付ける。一気に夏だ。
  • bk1から本が届く。ももクロちゃんの『『ももクロChan』Presents ももいろクローバーZ 試練の七番勝負2012』(太田出版)は第一弾とは判型が違う。大きくなったら見やすくていいけれど、コレクションとして見た目が揃わないというのはどうだろ?
  • 4月の最終日曜日は「世界ピンホール写真デー」である。世界中の針穴写真愛好家がこの日撮影した写真をネットに掲げるという催事である。特に行きたいところもなかったので、散歩がてら豪徳寺まで行き、境内でパチパチやった。お参りに来ている人多し。
  • ついでに豪徳寺の方に足を伸ばし、駅の北側の鯛焼き屋でおやつを購う。二つ買ったら、店の人が一つおまけして袋に追加してくれた。理由は不明。ありがたくいただく。
  • スーパーで晩ご飯の買い物をして帰宅すると、阪神がまた負けている。
  • 先週末のももクロちゃん横浜アリーナ公演がCSで放映されるとアナウンスされていた。あわせて次のツアー初日のNHKホール公演も生中継される。しかも3Dだとか。活躍する時のなかったうちのテレビが、ついに本領を発揮する機会を得た*1
  • 会議の録音データを聞きながら、内容をチェックするという仕事に勤しむ。
  • 喉がちりちりするよぉ。

*1:寝不足注意!ももクロ24時間特番&NHKホール3D生中継 http://natalie.mu/music/news/68674

スープと骨董

Soup Stock Tokyoのスープの作り方風邪をひいてしまった。喉の痛みと鼻づまり、そして微熱。一昨日の夜から調子が悪かったので、水曜日は1日静かに過ごしたかったのだけれど、夜に避けられない会議があるため、それには出た。そして轟沈する。どうせ連休前半は大阪には戻れないし、いくつかの会議に顔を出して、あとは家でじっとしていよう。
Soup Stock Tokyoのスープの作り方』(文藝春秋)と『京都こっとうさんぽ』(光村推古書院)を手に入れる。どちらも時間泥棒である。江戸以前の本物の骨董はなかなかハードルが高いけれど、近代以降のものであれば、さほどでもない。文化として見ても、日本的なものに微妙に海外から流れ込んだ要素、属性が感じられて、そのハイブリッドな感じがおもしろい。もちろん純血もいい。スープストックトーキョーの本は、見ているだけでお腹が鳴る。写真があまりにもおいしそうで、困ったものである。作らなくても(作れなくても)満足感は高い。
風邪が治るまではももクロちゃんのライブ映像を見ながら、こうした趣味の本で心穏やかに時間を過ごす。

現在地@チェルフィッチュ

morio01012012-04-24

独特の踊るような奇妙な所作とミニマルミュージックのような台詞回しで舞台を構築するいつもの手法ではなかった。一見、ある役柄を特定の俳優がストレートに演じるというオーソドックスなスタイルに映る。しかし、どこかにざらりとした違和感を覚える不可思議な世界が現前にあった。
極めて抽象化された舞台(椅子と机と柱のみ)には7人の女性が静かに佇んでいる。彼女たちは「現実として認識されるある現象」をいかに解釈するかで思い悩む。ある者は何かの予兆であると思い焦り、ある者はそれを意識しながら冷静であろうとする。また変化することに身を投じる者がいれば、ためらいを感じ留まる者もいる。本当の「正しい判断」などどこにもないのだということを、徹底的に戯画化して見せる。漠とした不安や輪郭のない恐怖を前にして、人はどう判断、行動するのか。言うまでもなくそれは「今のこの国」のありよう(制度をも含め)を否応なく意識させるだろう。
事実、主宰の岡田利規は震災と原発以後の状況に強く影響されて「現在地」の脚本をものしたと語っている。そして、あえてドキュメンタリーとは対極に位置するフィクションの可能性を追求しようとする。フィクションが現実の世界に対して強い緊張関係を生み出すとの意図は、ひとまず成功していると思った。ガイガーカウンターを常用する日々など、「昨日」までは完全なる絵空事、それこそSFのお伽噺でしかなかった。それが今では日常である。この笑えない現実を虚構の力で暴き立てようとするのである。唸りながら2時間を過ごした。音楽と照明が印象的。
わかりやすいものではない。想像力や読解力を強く要求される。しかし、それに挑むことで、他では得難い愉悦を覚えることができる。神奈川芸術劇場で鑑賞。
  チェルフィッチュ http://chelfitsch.net/

地獄という名の天国

morio01012012-04-22

日曜日に早起きした。普段はまずないことである。そしてこの日のももクロちゃんのライブチケットを手に入れる算段をした。無事にミッション・コンプリート。もともとは新宿の映画館で生中継を楽しむつもりにしていたのだけれど、どうにも昨日のだけでは収まりがつかなくなってね。
1日目は意外性重視のオモチャ箱のようなバラエティであったのに対し、2日目はいつもの激しすぎるライブだった。そして「いつものももクロちゃん」が「最高のももクロちゃん」であることを再認識させられた。楕円形の横浜アリーナのセンターに置かれた丸いステージで繰り広げられる3時間超の全力のパフォーマンスに息つく暇もなかった。曲に合わせて大暴れしていたら、滴り落ちる汗が止まらない。「見渡せば大パノラマ地獄」はメンバーも言っていたとおりこれ以上ない「天国」と化した。
 ライブレポート@ナタリー http://natalie.mu/music/news/68246
メンバーの最後の挨拶の時に自然発生的に湧き上がった「世界のももクロNo.1」の温かいコールが、この日のライブの高揚感と多幸感を強く印象づけた。新たに発表された夏のツアー、ぜひとも百田さんの地元静岡の公演に行きたいと思う。会場を赤いサイリウムで染め上げるのだZ!!
セットリストは折り込みます。

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もも指のコラボ

morio01012012-04-21

4ヶ月ぶりのももクロちゃん現場。どんどんチケットが取れなくなり、某オークションでは天井知らず*1の値段がつけられるほどになってしまった。なんとか確保できた初日のチケットを握りしめ、勇躍、横浜アリーナに向かったのだった。
ももクロオールスターズ」と銘打たれたお楽しみショーは、ゲストがたくさん登場するわちゃわちゃとしたバラエティーを、生でニコニコしながら見るというコンセプトであろう。いつもの汗だく全力のがっつりライブとは、そもそも考え方が違う。そう思えば、今日のライブは自分の中では予想通り(出てくるゲストは予想外)で、さほどの不満もなかった*2。一番聴きたい曲はだいたいやってくれたしね。あんなに楽しそうにしているメンバーを見ているだけで十分じゃないか、おじさんはすっかり幸せな気持ちになったよ*3
さて今日のサプライズ。夏の野外ライブの会場が3万人収容の西武ドームになったことは、いよいよ四十八人衆を狙い撃てるところまで来たことがよくわかる*4。そしてなんと指原さんが登場した。「のど自慢」コーナー後で四十八人衆のovertureが流れたときには、カバー曲でもやるのかと思った。ところが、舞台の上にはソロ曲の衣装を身に纏った指原さんがすっくと立っていた。まわりのモノノフの「微妙……」な空気感の中、一人静かに高まっていたのだった。まったくもって俺得な奇跡のコラボである。6月の指原さんプロデュースのアイドルの祭典にももクロちゃんも出演することが決まった。これは行けるか、な?
明日は映画館で生中継のお世話になる。横浜アリーナ2日目もハッピ&ペンライト装備で振り切ってくる。
追記:終演後のtwitter2chでは、ももクロちゃんも指原さんも叩かれまくってる。擁護派2:批判派8くらいだろうか。ま、仕方ないか。「のど自慢」コーナーの3曲をなくして、Z伝説、ピンキージョーンズミライボウル、全力少女、ココ☆ナツ、キミとセカイあたりをやれば、かなり印象は違ったように思う。
セットリストは折り込みます

*1:やや大袈裟

*2:ゲストは総じて高齢で、会場に来ている人たちのニーズに合っていなかった感は否めない

*3:全力ライブを見たかった人には物足りなかったのはよくわかる

*4:でも8月5日は仕事が入っていて、行けないことが確定、泣きたい……。

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